前述した東京形成美容外科では、リスクを理解してもらうために中学生以下は必ず保護者が同伴しなければならないことになっている。高校生は保護者の同意書を持参してもらい、保護者に確認した上で施術を行っているという。

費用は保護者が出すケースが多いが、たとえば二重手術は最も安い場合で2万円程度、平均3万5000円ほどというから、中学生もお年玉で受けられそうな金額だ(目の形や手術の内容によって料金は異なる)。

「メスを入れる手術」には慎重

「あまりに低年齢の場合、ほくろやイボ除去をのぞき、メスを入れる手術はお断りしています。やはり多少は傷跡が残りますし、将来好みが変わることもある。親御さんもそこまで望む人はほぼいません。

二重手術であれば医療用の糸で留める埋没法や、その他ヒアルロン酸やボツリヌス注射など、元に戻せる切らないプチ整形でも今の技術なら十分理想形に近づけることができます。

10年前はいざ手術台に上がったら怖くなってやめてしまうという子が多かったのですが、今はそういう子はいませんね。当院で二重手術を受けた最年少の子は6歳。親御さんには『さすがにまだ早いのではないか』と言いましたが、本人の希望が強く、親御さんも折れて埋没法を行いました。本人は多少緊張していたもののしっかりと受けていました。年々子どもたちの美意識が高くなっているように感じます」(弓削田院長)

9歳から毎月1回、数年間にわたり通院し、「肌をきれいにしたい」とケミカルピーリング(肌表面の古い角質を取り除く治療)やイオン導入(肌に有効な成分を微弱な電流を使って浸透させる施術)など1万円ほどの施術を受けている女子もいるという。大人からすると「小学生がそこまで!?」と思うかもしれないが、本人にとっては切実。まさしく美意識の高さの表れだろう。

本人の美意識が満たされるだけではない。冒頭で紹介した例のように、手術を受けたことで「いじめがなくなった」「自信を持てるようになった」「学校生活を楽しめるようになった」ということもあり、美容整形の低年齢化は大人の価値観で安易に語ることができない状況がある。

著者:安楽 由紀子