性感染症の一つ、「梅毒」が全国的に増えているという。

2021年12月、国立感染症研究所感染症疫学センターが公表した内容によると、2021年1月4日から11月28日の間に診断され、医師の届け出があった症例数は6940例で、昨年の同時期の約1.4倍だった。

男女とも増加傾向があり、2021年は1999年の感染症法施行以降、もっとも多かった。年代別でみると、男性は25歳〜29歳(男性全体の14%)、女性は20歳〜29歳(女性全体の34%)だった。

梅毒が多い地域は…?

症例が多かった5都府県は、東京都(2170例)、大阪府(738例)、愛知県(367例)、福岡県(301例)、神奈川県(290例)と大都市に集中しているが、人口10万人あたりの報告数を見ると、東京都、高知県、大阪府、岡山県、宮崎県となっている。

「実は、梅毒の症例数の増加は今に始まったことではなく、ずっと話題になっていました」

と話すのは、産婦人科医の北村邦夫さんだ。性と生殖に関わる健康課題を広く扱う一般社団法人日本家族計画協会の会長で、東京都医師会の感染症部会の委員でもある北村さんは、ずっとこの問題について講演などを行っている。

「梅毒の症例数が増え始めたのは2014〜2015年ころで、その後、症例数は増加の一途をたどりました。それが2019年頃から減少に転じたため、このまま減っていくのかと思っていたのですが、2021年にグンと増えてしまった」