「サステイナブル先進国」と呼ばれるフランス。パリに暮らしていると、パリジャン/パリジェンヌが物を大切に長く使っている光景を日々目にしているのですが、それは昨日今日始まったことではなく、彼らの骨身に染み込んだ気質というか、生活に根付いた文化なのだと思わされます。

例えば数年前に日本でもベストセラーになった、『フランス人は10着しか服を持たない』(ジェニファー・L・スコット著)にはフランス人のそうした気質が驚きを持ってつづられています。

パリの由緒ある貴族の邸宅にホームステイすることになったアメリカ人の著者が、その家のマダムの少ないながらも厳選されたワードローブ(その人の持っている衣類全体、洋服の組み合わせ)や、いい物を長く大切に使う暮らしぶりに感銘を受けるのですが、こうしたエピソードはフランスに暮らしていれば、自ずと見聞きすることになります。

街中に衣料回収ボックスがある

フランス人は一般的に自分のスタイルや好みにブレがないので、幅広いものに手を出して失敗することもなく、自分の定番スタイルのものを必要に応じてお直しに出したり、時にはアップサイクルして蘇らせたりしながら大切に着続ける。ワードローブはそうした自分の定番ものに、そのシーズンの気分でかなり吟味して買い足されたもので構成されています。

それでももう身につけなくなるものもあります。ですがそれをすぐにゴミに出してしまうのではなく、循環させるスキームが昔から整っているのです。“Dépôt-vente”と呼ばれるセカンドハンドの委託販売店も数多く、私も子どもたちが幼い頃から友人たちの中でも貰い手のなかったベビーカーやベビー服、サイズアウトした子ども服などをこうした店に託してきました。

委託販売店は購入年や状態のチェックがあり、それから洩れてしまったものは、街中にある衣料回収ボックスに入れます。