対して、不妊治療専門のクリニックの不妊検査は、婦人科でしないような詳しい検査まで行います。ただし、こうしたスクリーニング検査は自費のため、若干、費用は割高になります。

妊娠の可能性を知りたいのであれば、詳細に体の状態を調べる不妊専門のクリニックで検査を受けるほうがいいでしょう。なぜなら、不妊症の原因は1つだけとは限らないからです。今後タイミングを計ったり、その先の治療を進めるうえで正確な判断をしていくためには、多くの情報が必要になります。

最初の検査は不妊治療を行ううえでの必要不可欠な健康診断のようなものと捉えていただければと思います。仮に、何らかのはっきりとした原因が見つかった場合には、これに対応する治療を早期に効果的に行うことが可能となります。

また、不妊治療専門のクリニックでの検査をおすすめする理由はもう1つあります。それは、婦人科で検査や治療を開始してもなかなか妊娠せず、不妊クリニックに転院した場合、ゼロから検査を受けなければならない可能性もあることです。クリニックによって対応が異なり、一部の検査は前の検査データを活用する場合もあると思いますが、初めからやり直しということもあるでしょう。

何度も同じ検査をするのは、精神的にも金銭的にも負担がかかります。初めから専門クリニックで詳細に検査をして、そのまま専門医のいる施設でタイミング法などに移行するほうがいいでしょう。

4月から人工授精や体外受精は3割負担

2022年3月までは人工授精や体外受精(顕微授精含む)が保険適用外でしたが、4月から不妊治療が保険適用となり、人工授精や体外受精共に3割負担ですむようになりました。

人工授精の場合、年齢や回数制限はありません。体外受精の場合は、採卵から胚移植までが40歳未満の方は6回まで、43歳未満の方は3回までとなります。ただし2022年4月2日から9月30日までに40歳の誕生日を迎える方は、助成金制度の移行期間として6回まで保険適用となります。

自己負担額は、人工授精が1回あたり3割負担で5460円です(再診料や薬剤処方を含めると約6000円)。一方、体外受精の場合、全体でいくらというものではなく、細かい技術ごとに料金が示されています。

体外受精と一口にいっても、薬を使って体内で育てた卵子を体外に取り出す「採卵」や、卵子と精子を体外で受精させ、受精卵を培養したあとに女性の子宮に移植する「胚移植」などの手順があります。また、採卵や受精卵培養の個数によって金額が変わってきます。目安としては、1周期あたり自己負担額10万円〜17万円程度で行えるようになっています。

保険適用前にこれまでかかっていた費用が人工授精1回あたり2〜5万円ほど、体外受精の場合は30〜40万円ほどということを考えると、金銭的にはチャレンジしやすくなりました。

ただし、従来の自費診療と比較して、使える薬の種類や採血の回数、エコー(超音波検査)の回数に制限があるため、自費診療と保険診療の治療内容の違いを把握したうえで治療を選択されることをおすすめします。保険適用条件など、詳しくは厚生労働省ホームページを確認しましょう。

治療が保険適用となることで、「高額療養費制度」も使えるようになります。高額療養費制度とは、加入している健康保険によって決まっている上限の医療費を超える場合、その上限を超えた医療費を本人が支払う必要がなくなる制度です。

例えば、不妊治療で1カ月に15万円かかったとします。月の所得が28万〜50万円の方は自己負担限度額が約9万円のため、クリニックに支払う金額はひと月あたり約9万円でOK。事前に申請を行えば、残りの6万円は窓口負担もありません。