入居時は真新しいマンションも、時間が経てば劣化が進む。風雨や紫外線にさらされ、目に見える部分はもちろん、さまざまな箇所に不具合が発生するのは仕方のないことでもある。

マンション住民が快適な居住環境を維持し、安心して暮らすためには相応な時期に建物を修繕、改修する必要が出てくる。「大規模修繕」と呼ばれる12年から18年などの周期で行う工事のことだ。資産価値など将来を考える上でも、大規模修繕工事の持つ意味は大きい。

管理組合の悩みの種

しかし一戸建てと異なり、共用部分も多いマンションでは、必然的に大規模な工事、メンテナンスが欠かせない。時間もコストも要するため、管理組合の主導のもと、入念な事前準備を行うのが大前提となる。管理組合としては理事会が工事の計画を進めるケースと、諮問機関として修繕委員会を設置して計画を進め理事会をサポートするケースがある。着工までさまざまな過程を経る時間をかけて工事準備を進めていく。

準備段階において管理組合の悩みの種となるのが、実際に工事を行う施工会社の選定作業だ。施工会社の選定には複数の方法があり、例えばマンションの管理会社に大規模修善工事施工を依頼するケースも少なくない。管理組合と管理会社関係が良好である場合には、安心感があるかもしれない。

しかし残念ながら、管理会社への一任には競争原理が働かない、工事内容や工事費用が不透明になる可能性があるなどのデメリットも考えられる。大規模修繕工事を管理会社に任せる場合、どのような点に気をつけるべきなのだろうか。

まず、施工業者として管理会社が関わる代表的な2つの発注方式「責任施工方式」と「設計監理方式」について詳しく見ていこう。