多様化する世界の中で、言葉が氾濫する昨今。きっと誰もが言葉で誰かを「傷つけた」「誤解させた」「モヤッとさせた」経験があるのではないでしょうか。

誹謗中傷や新型コロナウイルス、国際的な分断が深まり、SNS上で言葉が残ってしまう昨今では、「言葉えらび」がいっそう重要になっています。
目まぐるしいテクノロジーや社会の変化に合わせて、私たちが発する言葉をもっと注意深く扱い、現代に合わせてアップデートするための「24の言葉の型」をまとめた小竹海広氏の新刊『言葉のアップデート術』より、そのヒントを紹介していきます(3回目。1回目はこちら、2回目はこちら)。

「人生にはモテ期が3回ある」。こんな話を聞いたことがあるでしょうか。モテ期とはその名の通り、モテる時期のことですが、「あれ、自分にはモテ期が3回もあっただろうか。そもそもモテ期なんて1回もないかも……」と困惑された方もいるかもしれません。

例えば、この世界が100人の村だったとします。

300回のモテ期がある人間が1人いて、モテ期が1回もなかった人が99人だとしたら、平均値は300回÷100人=3回です。

では続いて、100人の中央値、つまり真ん中の順位の人のモテ期は何回になるでしょうか。100人の真ん中の順位は50位と51位でモテ期が0回なので、いずれにせよ0回になります。

つまり、仮に平均値で見るとモテ期は3回になるとしても、一部の人だけがものすごくモテているけれど、ほとんどの人はそうでないケースも踏まえることが大切なのです。

知っておくべき視点の1つ「中央値」

中央値とはデータを大きい順、もしくは小さい順に並べた際に、真ん中に位置する値のことです。中央値は統計のズレを見つめるうえで、知っておくべき視点の1つです。

もう1つ例を見ながら、中央値について考えてみます。

戦闘力が「1、2、7、10、100」という5人の戦士が1対1で戦うとします。この場合、戦闘力の平均値は24、中央値は7になるので、戦闘力100以外の4人の戦士は、平均値以下の戦闘力と解釈できます。一方、中央値で考えると、戦闘力7の戦士は戦闘力1と2の戦士には勝てますが、10と100の戦士は負けるので、2勝2敗の勝負になるわけです。