外見によって人の価値をはかるべきではない――。「ルッキズム」とは容姿の美醜による差別の意味でしばしば使われるが、それでも自分の基準で「美しくありたい」と思う人は多くいる。自らの外見を変えることによって、その人たちが手にしたいものは何なのか。「美しくありたい」の背景にあるものを追う。

失恋の痛みから整形を始めた真波さんだが、元彼に「前のほうが可愛かった」と言われたことで、“彼のための整形”から“自分のための整形”へと舵を切った。これまで美容整形にかけた費用は400万円。今はSNSで自分を頼ってくれるフォロワーへの情報発信も兼ねて、整形道を邁進する――(前編:25歳女性が400万つぎこんだ「整形という宝島」はこちら)。

「課金額」でマウントし合う整形垢

「“整形垢”(整形アカウント)を持っている人たちは、“どれだけお金をつぎこんだか”でマウントし合うようなところがあります。“ホストに高いシャンパンを入れてライバルに見せつける”みたいなイメージでしょうか。だからみんな、SNSのプロフィールには今までかけた金額をこれ見よがしに書くんです。

ショートの金髪を揺らして微笑み、ジンジャーエールをひと口飲むと、葉月真波さん(仮名、25歳)は切り出した。

「クリニックの無料モニターになると課金額は上がらないので、その場合は“自分で払っていればこのくらいです”っていう金額を上乗せして書きます。せっかく新しい施術をしても課金額が増えていなかったら、“あれ、この人……?”って怪しまれますし。整形垢ってステマが嫌いなので、モニターは警戒されるんですよ。だから、“払っていればこれくらい”って書いて、どんどん課金額を重ねていきます」