終末期医療患者を中心に、病や障がいを抱える人の願いをかなえる付き添い看護サービス、「かなえるナース」。この事業を運営する代表の前田和哉さんによる初の著書、『自分らしい最期を生きた人の9つの物語』が6月に刊行された。

本書は、現役の看護師でもある前田さんがこれまでに出会った、「自分らしく悔いのない最期」を送った9人のドキュメンタリー短編集。自分や自分の大切な人がいつかこの世を去るときに、「後悔しないためのヒント」が実話を通してつづられている。

今回は、多くの終末期患者に寄り添ってきた前田さんに、「最期の日々を悔いなく生きるためのヒント」について、全3回でインタビュー。第1回は、「かなえるナース」を立ち上げるまでの道のりで感じた、「幸せな最期・不幸せな最期」について語ってもらった。

病や障がいを抱えても願いをあきらめないために

医療技術の進歩によって、日本人の平均寿命は飛躍的に伸び、“病とともに”長生きする人が増えた。

だが、そうした病を抱えた人たちが、自由に自分の行きたい場所に行ったり、やりたいことが思う存分できるかというと、まだまだ難しいのが現状だ。

そこに課題を感じ、2018年に保険適用外の付き添い看護サービスを立ち上げたのが、看護師の前田和哉さん。病気や障がいによってこれまであきらめていた外出や日常の楽しみなど、専属のナースが付き添うことでかなえる、「かなえるナース」(株式会社ハレ)を創業した。