キンキンに冷えた1杯のビールに心躍る季節がやってきた。その一方で、「尿酸値が高くて……」と、ためらいを覚える人も少なくないだろう。

ご存じの通り、尿酸値(血液中に含まれる尿酸の量)が高くなると、「痛風」を発症するリスクが高まる。”風が吹いただけでも痛い” ことから名付けられたとされる痛風は、お笑いタレントが動画チャンネルで自身の発症の状況を訴えるなど、30代以降の男性にとっては決して他人事ではない病気の1つだ。

そこで今回、尿酸に詳しい、桜十字八代リハビリテーション病院(熊本県八代市)副院長で熊本大学客員教授の小島淳さんに、痛風と高尿酸血症について聞いた。

尿酸はプリン体から生成される老廃物の1つだ。プリン体は主に肝臓で分解されて尿酸となり、最終的には尿や便として排泄される。だが、この”生産と排泄のバランス”が崩れて生産量が排泄量を上回ると、尿酸値が高くなる。

近年は、含有量を制限したアルコール飲料などが市販されているほど、プリン体への関心が高まっている。プリン体は、ビールや日本酒などのアルコール類や、イクラやウニなどの魚介類に含まれている成分だと思われがちだが、実は米などの穀類や野菜など、ほとんどの食べ物に含まれている(下記図表は、外部配信先ではすべて閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でご確認ください)。

プリン体は悪いものなのか

ちなみに、ビールにプリン体が多く含まれているのは、ビールの製造過程で麦芽の核酸が壊れたときに大量のプリン体が出るからだという。

プリン体は尿酸のもとになる物質であることから、”悪いもの”というイメージがあるかもしれないが、「実は細胞に含まれる『核酸』の主成分。生きていくうえで不可欠な物質の1つなのです」と小島さん。そのうえでこう話す。

「尿酸自体も活性酸素を除去する作用(抗酸化作用)があり、酸化ストレスから体を守る働きをしている物質の1つです。多すぎは痛風のリスクとなりますが、減らしすぎもよくないのではないかということが、以前から議論されていました」