高温多湿の夏は、細菌による食中毒が最も起こりやすい季節だ。厚労省資料によれば、2020年8月は6月に次いで突出して細菌性食中毒が多く、報告されている患者数だけでも1カ月で3000人超となった。

思ったより少ないと感じたかもしれない。ただ実際には、この何十倍、何百倍もの患者がいてもおかしくない。集団発生でもない限り、原因細菌が突き止められて保健所に報告されるケースのほうが少ないからだ。そもそも受診せずに家で療養する人も多い。

間違った思い込みが食中毒を招く。ありがちな誤解を4つ確認しておきたい。

「臭い」「賞味期限」「腐っているかどうか」は関係ない

その前に、食中毒の大前提を3つ。まず、①古くなった食品がまだ食べられるかどうか、「臭い」で判断する人がいるが、これは間違いだ。

食中毒を引き起こす病原体は、食べ物に付着していてもなんの臭いも発しない。臭いをかいで明らかにおかしな臭いがしたら、食べる人はまずいない。臭わないし、味にも変化がないからこそ、食べてしまって“あたる”人が出てくるのだ。

そして、②賞味期限も、ざっくり守られていれば本来ほとんど関係ない。あえて言えば、保管方法が適切なら、賞味期限が過ぎた瞬間に食べられなくなるわけでもない(ただ、味も悪くなるし、万一何かあっても誰も責任は取ってくれないので、おすすめはしない)。

むしろ賞味期限以内でも、保管の温度や場所が不適切だったり、開封して時間が経過した加工食品は、食中毒微生物が付着したり増殖したりしている可能性がある。他方、消費期限はそもそも傷みやすい食品に設定されているので、例外なく守ったほうがいい。