1962年に区分所有法が定められ、日本初のマンションブームが起きてから60年以上が経過した。その後何度かのブームを経て、マンション開発、供給が脈々と続いてきた。

一方、国土交通省(国交省)のデータによれば2021(令和3)年末時点でのマンションストック総数は約685.9万戸。大都市圏をはじめ、日本各エリアに一定数のストックが存在している。そのうち115.6万戸、マンションストック全体の約17%が築40年以上を迎えた「高経年」マンションにあたるという。

さらに同省は10年後には「高経年」マンションが約2.2倍の249.1万戸、 20年後には約3.7倍の425.4万戸まで増えると試算する。

築40年超のマンションであれば、外壁の剥落や防水機能の低下、給排水管の劣化など共用部分も含めた適切なメンテナンスを行わなければならない。当然ながら一定周期での大規模修繕工事の実施が不可欠となる。

ところが、適切な維持管理がされていないマンションも少なくない。老朽化した箇所が放置され、居住者はもちろんのこと周囲の住民や通行人にも危険が及ぶマンションも存在する。

住民の高齢化が管理組合の円滑な運営を困難に

このような事態に対処するのは、マンションの管理組合の役割だ。しかしマンションの築年数と共に住民も年を重ねており、住民の高齢化が管理組合の円滑な運営を困難にしている。

1999(平成11)年度頃よりマンションの世帯主は70歳以上の割合が増加し、30歳代以下の若い世代の減少が続いている。本来、築年数の古いマンションほど、メンテナンスの必要性が高まっていく。

しかし新規入居者もなく、住人の高齢化により維持管理費の引き上げも難しい。結果的に修繕積立金の不足などによる管理不全マンションが増えていくこととなる。