「テレビゲーム」は子どもがやるものと思われがちですが、書籍や映画ともまた違う独自のシリアスな、あるいはユニークな作品が多数あります。その魅力は奥深く、大人の趣味として楽しめるほどに成熟しているといっても過言ではありません。

そこで、この連載では、ゲームの評論やコラムを10年以上書き続けているゲームライター、いわばゲームを遊ぶプロである渡邉卓也氏が、ゲーマーからは人気でも一般的にはあまり知られていないであろう著名な作品や傑作を紹介します。

第14回は、パズル好きにぜひ挑戦してもらいたいゲーム『Baba Is You』を取り上げます。

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基本は物を押してパズルを解くゲームだが…

今回紹介する『Baba Is You』は衝撃的な作品です。本作は「Baba(ババ)」という白い犬か猫のようなキャラクターを操作し、物を押してパズルを解くゲームですが、この基本ルールすら捻じ曲げられるのですから。

そもそも本作では、ステージ上にルールが書かれています。たとえば「Baba is You」という文章があれば、そのステージでは自分がババを操作するのです。

それぞれのワードはブロックになっており、動かすことができます。動かしてこの文章を壊してしまうと、「Baba is You」というルールが壊れて操作できるキャラクターがいなくなり、ゲームが詰み状態になるのです(そうなってもすぐに元に戻すことが可能です)。

これを逆手に取って、「Wall is You」という文章を作った場合、操作するキャラクターがババから壁(Wall)に変化します。そう、ステージをおおっている壁すべてを自分で操作して、ステージをむちゃくちゃにできてしまうのです。

さらに「Baba is You」という文章と「Wall is Baba」という文章を同時に作ると、壁がすべてババに変化してしまいます。このようにひとつのステージのなかで何度も常識が塗り替えられてありえない光景が広がるのですが、そんなとんでもないゲームが『Baba Is You』なのです。