職場や市区町村で受ける年1回の健康診断。どこまでがセーフで、どこからがアウトか、ボーダーラインを知りたい人も多いだろう。だが、健診はがん検診と違って、血液検査が中心となるため、診断結果の数値を見ても、ピンと来にくい。

異常が示されているのに放置すれば、近い将来、脳卒中や心筋梗塞を発症する危険もある。健診結果の読み方や適切な対処法について、近畿大学医学部公衆衛生学教室主任教授の今野弘規(いまの・ひろのり)さんに聞いた。

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生活習慣病の兆候を早期に見つける

健康診断のうち、40〜74歳のすべての国民を対象にしているのが2008年4月から施行された「特定健診」だ。公費でまかなわれるため、受診負担はゼロが基本。脳卒中や心筋梗塞のリスクとなるメタボリックシンドローム(以下、メタボ)を中心に、生活習慣病の兆候を早期に見つけることが目的だ。

自営業者や専業主婦、退職者など国民健康保険の加入者は年に1回、市区町村から受診の案内が来る。会社員は労働安全衛生法に基づき事業者が雇用者に行うことを義務付けられている「一般健康診断」にこの特定健診が含まれている。

健康診断では人間ドックも知られているが、こちらは任意であるため有料(1日コースで3万〜10万円と幅がある) 。血液検査の診断項目だけでも40種類を超え、目や耳の検査、腹部の超音波検査、がんの検査もついている。

「特定健診では病気の予防につながる、エビデンスが明らかな最低限の項目(10項目)が検査されます」(今野さん)

特定健診の2020年度の実施状況は53.4%(厚生労働省調査)で、受診率は年々増加している。今野さんは、「問題は受けっぱなしの人が多いこと。メタボや生活習慣病は症状がほとんどないこともあり、要受診(受診推奨)や要注意(保健指導)、などと書かれていても、そのままにされがちなのです」と指摘する。

重要な点を見逃さないためのポイントはあるのだろうか。