多くの人が経験したことがある口の中のあの痛み、そう口内炎のことだ。大半は放置しても自然に治ってしまうが、食べ物が染みたり、痛みが強かったりする場合もあって、なかなかつらいもの。そこで、口内炎をできるだけ早く治すための方法や、放置してはいけない危険な口内炎とはどんなものか、口腔粘膜疾患を専門とする慶應義塾大学歯科・口腔外科の角田和之歯科医師に聞いた。

口内炎とは、口の中の粘膜に起こる炎症すべてのことで、いくつかの種類がある。圧倒的に多いのが「アフタ性口内炎」で、そのほかにヘルペスウイルスやカンジダなどの感染症や、全身の病気、アレルギー、薬剤によって引き起こされる口内炎がある。

アフタ性口内炎は、直径数ミリの丸っこい形で、中心が白く、周囲が赤く潰瘍(粘膜に穴ができた状態)になっているのが特徴だ。舌や、唇や頬の裏側など、粘膜が薄くやわらかい部分にできやすく、粘膜が厚くて硬い上あごの裏側などにはできにくい。

喫煙者は、口内炎ができにくいという研究報告があるが、それは“たばこの熱やニコチンによって、口の中の粘膜が角化(厚く硬くなった状態)しているため”だという説もある。

原因不明または口の中の傷が引き金に

アフタ性口内炎の多くは、原因となる病気がない、あるいは原因不明の「原発性」だ。かんだり、固いものを食べたりして口の中に傷ができたことが引き金となることもある。

原発性の場合、そのまま放置しても2週間以内に治り、あとは残らない。口の中の粘膜は、通常2週間程度で入れ替わるためだ。しかし、食べ物が染みたり、痛みが強かったりする状態が続くのはつらい。できるだけ早く治したいが、どうすればいいのか。