健診などで「血糖値が高めですね」と言われたとき、これはヤバいと思う人もいれば、まだ大丈夫と気に留めない人もいるだろう。だが、実は「血糖値は高めになりかけたとき、予備群の段階で改善に努めることが、“超重要”」と専門家は言う。

なぜこの段階での改善が大事なのか。糖尿病のメカニズムや体の中で起こっていることを知れば、きっと納得できるはず。国立国際医療研究センター病院糖尿病研究センター長の植木浩二郎さんに解説していただいた。

古代エジプトのパピルスにもその記載があったという、糖尿病。血液中のブドウ糖の濃度が濃い、つまり血糖値が高い状態が続くと診断されるが、植木さんによると、血糖値の高さが原因であるとわかったのは300年ほど前、インスリンという血糖値を下げるホルモンが見つかったのが100年ほど前だ。

なお、糖尿病には、膵臓からインスリンがほとんど分泌されなくなる1型糖尿病と、インスリンが分泌されにくくなったり、効きにくくなったりする2型糖尿病があるが、ここでは、2型糖尿病について取りあげる。

予備群では膵臓がオーバーヒート状態

食事で摂ったブドウ糖は血液中に運ばれ、膵臓で作られるインスリンというホルモンの作用によって体内の細胞に取り込まれる。

糖尿病の人の体では何らかの理由で、このインスリンの分泌が悪かったり、効き方が悪かったりする。そのため、血液中のブドウ糖が細胞に取り込まれず、血液中にとどまったままになる。

それが結果的に動脈の壁を傷つけて動脈硬化の原因となり、最終的には視力障害、腎臓病、足の壊疽(えそ)、心臓病、脳卒中などさまざまな合併症を引き起こし、認知症やがんのリスクを上昇させるともいわれている。