在宅勤務などによって、家で料理をする人が増えたのではないでしょうか。料理の腕を上げるために、まず作れるようになっておきたいのが、飽きのこない定番の料理です。料理初心者でも無理なくおいしく作る方法を、作家で料理家でもある樋口直哉さんが紹介する連載『樋口直哉の「シン・定番ごはん」』。

今回は、年末のご馳走としておすすめの「ステーキ」と「ガーリックライス」です。

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「肉選び」で目指す味が変わる

昔からステーキはご馳走。焼き方についてはいろいろな流派(?)がありますが、実はそれ以前の「肉選び」でも目指す味は変わります。

日本国内で流通している肉は大きく「輸入牛」「国産牛」「和牛」の3種類。輸入牛は脂が少なく、あっさりした味。国産牛は脂の少ないものから多いものまでさまざまですが、基本的には輸入牛よりも脂が多く、和牛はさらにその上。

ちなみに1991年の牛肉の輸入自由化以降、消費の主流は輸入牛。安価な輸入牛と差別化をはかるため、和牛の脂は増えていった経緯があります。最近の人気は脂の少ない赤身肉ですが、それでもある程度の脂肪交雑がないと焼いたときに硬くなりがち。

牛の硬さは部位によっても変わってきます。牛は体が大きく、その体重を支えるためにスネやモモといった下側の筋肉が発達しているからです。餌を食べるために首肉もよく動かすのでやはり硬く、こういった部位は煮込み料理に適しています。反対に腰のあたりの肉はやわらかく、ステーキやローストビーフなどに向いている部位。

今回はスーパーでアメリカ産のアンガス牛肩ロース肉を買ってきました。アメリカ産のアンガス牛は穀物飼育で、やわらかい肉質と穏やかな香りが特徴。例えば牧草で飼育されているオーストラリア産の牛肉と比べると違いがわかりやすいと思います。

同じ肩ロース肉が下の写真のように並べられていたら、どちらを選びますか。なんとなく筋が入ってなさそうな左側を選びがちですが、ステーキにするのであれば間違いです。

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肩ロース肉 一般的に切り身の角が丸い肉は焼くと硬く、角が立っている肉は焼くとやわらかく仕上がります

「肩ロース」は肩から背中にかけての頭に近い部分。左側の肉は牛肩ロースといっても首(ネック)寄りの部位なので、焼くと硬くなります。ステーキにするのであれば、どちらかというとリブロース寄りの右側の牛肉を選ぶのが正解です。