肩や首のこり、腰痛、頭痛などの痛み、生理痛やPMSなどの女性の悩みは、なかなか解消されず、しかも慢性的につらい症状の代表格です。
ベストセラー『「やせたい」なんてひと言もいってないのにやせた1分ねじれ筋のばし』の著者である今村匡子さんは、こうした体の痛みや不調と20年以上向き合い続けることで、その場で症状を軽くし、継続することで症状が出にくい体質に変えるセルフケア「こわばり筋ほぐし」を開発しました。その理論と実践法を1冊にまとめた『大丈夫なふりして生きてる人の体に効く こわばり筋ほぐし』の一部を改変し、第1回の記事に続いてご紹介します。
つらい痛みや不調の原因部位がわかる
痛みや不調の多くは原因を特定できないケースが散見され、それが治療を難しくしています。私は慢性的な痛みや不調を抱える患者さんたちの筋肉のこわばりやゆるみに着目し、それが症状を起こす原因になっていることを確認してきました。そのこわばり筋は、筋肉や関節に動きに関して専門的な知識がないとなかなか見つけるのが難しいのですが「こわばり筋ほぐし」をお伝えする際には、誰でも見つけられる方法をお伝えしています。
それが「うまくできない動作」です。
高いところにあるものを取る、立ったまま前屈する、イスに腰かけたまま後ろを振り返る、……以前は確かにできたはずのことが、うまくできない。これは体を大きく動かさないことで、どこかの筋肉がこわばり、それが邪魔をして体が動かなくなったということです。
試しに両腕を真上に上げてみてください。これができたら、とても優秀。
来院される方のほとんどは、腕が前のほうにしか上がりません。これは、肩が本来動くはずのところまで動かなくなったからです。肩甲骨と肩甲骨のあいだにある菱形筋や胸の筋肉などが、こわばり筋になっています。