今年も「ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート語が発表された。30の候補の中に「ハンドスピナー」が入っていた。正式な名称はなく、「フィンガースピナー」「フィジェットスピナー」とも呼ばれる。羽の枚数や形状にはさまざまなパターンがあるものの、基本的な遊び方は極めてシンプル。中央部を指で挟み、回すというものだ。中央部の周辺にはベアリング(軸受け)が搭載されており、1度回すとなかなか止まらない。

今年の世界的なヒット商品であることは間違いない。そして、なぜ売れたのか不思議に思ってしまう。基本的な遊び方は「指で回す」、それだけだ。同じく、流行語大賞には「インスタ映え」が入っていたが、それが理由なのか。いや、それだけではないはずだ。

トイプランナー、クリエーターとして活動する、「ウサギ」代表取締役の高橋晋平氏に聞いてみた。キーワードは「感触」「伝えたい欲求」「謎解き消費」だ。

スマホ時代だからこそ、問われる「感触」

常見陽平(以下、常見):世界的に大ヒットした「∞(むげん)プチプチ」「∞エダマメ」などの開発にも携わった高橋晋平さんに、ハンドスピナーがなぜ流行したのかについてお話を伺います。ハンドスピナーの流行を高橋さんはどう分析していますか?

高橋晋平(以下、高橋):ハンドスピナーだけではなく、感覚トイである「フィジェット(Fidget)」が今年は流行しました。スクイーズと呼ばれるもんだり押し潰したりして楽しむオモチャもヒットしています。この前、ある小学校に行ったのですが、男子はハンドスピナー、女子はパンやお菓子の形をしたスクイーズを集めている子が多いそうです。

ついついずっと触ってしまう…

今は「タングル(Tangle)」も流行しています。世界でなんと1億5000万個も売れているんです。ぐねぐねいじるだけなんですが、気持ちがいい。

常見:おお、不思議。ついついずっと触ってしまう……。

高橋:居酒屋ではし袋を折ったり、電話中に落書きをしてしまったりするのと似ています。「オモチャ」の語源は「もてあそぶ」にあるそうです。そんなオモチャの基本ともいえる、もてあそんでしまう商品が人気であるといえます。

常見:なぜ今フィジェットが売れているのですか? いわゆる「インスタ映え」する商品とは違いますよね。