「就寝前のルーチンだったTikTokがなくなるのは本当に困る。唯一の趣味といってもいいくらいなので……」

都内の出版社に勤める本松拓哉さん(仮名、25歳)は28日、自民党の「ルール形成戦略議員連盟」(会長・甘利明税制調査会長)が、ショート動画アプリ「TikTok(ティックトック)」など中国企業が提供するアプリやソフトウェアの使用制限を求める提言をまとめる方針とのニュースを見て「安全性とか米中対立とかどうでもいいから、TikTokは禁止しないで」と悲痛な声をあげた。

Facebook、YouTubeより楽な理由

本松さんがTikTokの動画を見始めたのは、新型コロナウイルスの拡大で緊急事態宣言が発令中の4月だ。最初は彼女が見ていて、無駄な時間の使い方だと思っていたが、寝る前に一緒に見ているうちに、自分のほうがハマってしまい「TikTokを見る夜の30分は自分へのご褒美」と言うまでになった。

アプリを起動すると、動物の癒やし動画や赤ちゃんが遊んでいる動画が次々に再生される。「TikTokが僕の見たいものを学んでいて、自分のツボにはまる動画がタイムラインに表示されるので、30分なんてあっという間。アプリをダウンロードするだけで、自分が見たいものだけを見られる手軽さに、他のSNSはやらなくなった」(本松さん)。

本松さんは社外の人とのやり取りにはFacebookのメッセンジャーを使うことが多いが、Facebookの投稿自体はほとんど見ないという。「学生時代は普通に使っていたけど、就職して仕事関係者と繋がるうちに、バカな内容も、個人的な気持ちも書きづらくなった。最近はコロナで、政策・政治に関する投稿が多いし、特に『いいね』ボタンが何種類も増えてから、『どれかを選ぶべきか』と考えるのが負担になりました」。

さらに本松さんいわく、頭を使う「Facebook」に対して、「YouTube」の視聴には体力が必要だという。「15分くらいのコンテンツなので、見るぞ!と思って見ないといけない。TikTokは何にも考えなくても、ただただ好きな動画が流れてくる。内容も平和なので、彼女と見ても喧嘩にならない」。