スギ花粉が本格化する季節が近づいてきました。ときには死亡事故を起こす可能性もある、花粉症でのくしゃみ。どのように対策すればいいのでしょうか。

くしゃみ1回でクルマはかなり移動する

 2024年も2月となり、スギ花粉の飛散もいよいよ本格化してきました。3連休明けの13日からは気温が上昇することから、花粉の増加が懸念されています。この季節、花粉症はクルマの運転のリスクも増大させる可能性があります。

 くしゃみ1回で、まぶたをとじる時間は約0.5秒といわれています。これはクルマが60km/hで走っていた場合は、8m以上進んでしまう距離になります。自動車保険の関係者はほかにも、「目をこするなどし、前方への注意が欠ける」「鼻水の処理でつい脇見になる」「絶えず目や鼻が気になり、運転に集中ができない、注意力散漫な状態になる」などと説明。しっかり目視できない状態が続き、危険の見落としや反応の遅れなどで、事故の危険性が高まります。

 実際、2023年2月には、「くしゃみで意識が遠のいた」という理由で、歩行者をひいてしまい2人が犠牲になった事故も大阪市生野区で起きています。2017年4月には愛媛県今治市で、くしゃみを連発するなどした男性ドライバーがハンドル操作を誤り、追突事故を起こし3人が死傷しました。

 運転前に薬を飲んで症状を抑えられたかもしれませんが、花粉症薬のなかには、眠気などの副作用があることから、服用中に運転しないよう注意書きがなされているものもあります。

 そのため、くしゃみを避けるためには、花粉をなるべく車内に持ち込まないことが重要となります。服をはたいて乗車し、窓をしっかり閉めて……それでも、やはりムズムズが止まらない場合があります。どう対策すればいいのでしょうか。

水ぶきのほかフィルター交換という手も

 ドイツに本社を置く自動車部品メーカーのボッシュによると、衣類に付着した花粉を乗車前にはたき落とすほか、静電気で花粉やほこりが付着しやすいダッシュボードなどを水拭きするのも有効としています。

 また、走行中はエアコンを内気循環モードで作動させ、外の空気を遮断するのがよいといい、車内の空気を守るエアコンフィルターの交換をすすめています。「エアコンを『内気循環』にする」「こまめに車内を水拭きする」という対策は、日産も花粉に対する物理的対策として紹介しています。

 特にエアコンのフィルターは「車のマスク」にたとえられることもあり、汚れていては効果も落ちてしまいます。多くの国産車の場合、エアコンフィルターは助手席のグローブボックスを取り外すと中から引き抜くことができるようになっています。

 カー用品メーカーでは、花粉対策としてフィルター目が20マイクロメートルよりも細かいものを推奨しているところもあります。エアコンのフィルターは車検のときに交換すれば問題ないと思っている人も多いかもしれませんが、前述のボッシュでは、1年または1万km走行ごとの交換を推奨しているといいます。