完成が近づく北陸新幹線の敦賀延伸区間に、「併用橋」という珍しい橋梁が建設中です。九頭竜川にかかるこの橋梁、一体どんな特徴があるのでしょうか。

新幹線の真横をクルマが走る

 2022年度末の開業に向けて工事が進められている、北陸新幹線の金沢〜敦賀間。この新規開業区間に、国内初となる、新幹線と道路の「併用橋」が誕生します。

 その橋は福井駅の北東およそ5km、福井市内の九頭竜川へ架けられる「新九頭竜橋(仮称)」。北陸新幹線の橋を両側から挟み込むように、上下線それぞれの道路橋が通ります。この道路は県道福井森田丸岡線で、歩道も設置されます。

 新幹線と道路が並走する光景は、東海道新幹線の浜名湖や木曽川にかかる橋梁などが有名です。しかし、これらは互いに近くを走っているだけですが、今回建設される新九頭竜橋は、新幹線と道路の橋げたがすべて同じ橋脚の上に置かれているのが特筆点です。

 このような鉄道と道路の「併用橋」は、長野電鉄の村山橋(千曲川にかかるトラス鉄橋)、レインボーブリッジのほか、縦に二層構造になっている瀬戸大橋、関西国際空港連絡橋、六甲大橋などがありますが、国内では珍しいものです。

 かつては名鉄犬山線の犬山橋が「併用軌道」、いわゆる路面電車のような形になっており、特急列車が鉄橋の上を、自動車に囲まれてしずしずと進む姿が印象的でしたが、これも2000(平成12)年に鉄道と道路の橋が別々になりました。

新幹線の計画スタートで急遽変更

 福井県の福井土木事務所によると、新九頭竜橋はもともと、道路単独の橋になる予定だったそうです。しかし北陸新幹線の建設計画が進むと、新幹線がこの橋のすぐ近くを通ることが判明。コストや工期、橋脚の河川への影響をふまえ、一体的な橋梁として整備することになりました。

 現在、橋の中心を通る新幹線の橋げたは完成し、レールの敷設作業等を待つ段階になっています。道路部分も、左岸側の橋げた設置工事が完了。2021年6月の完成を目指しています。

 なお、高速で通過する新幹線の風圧や騒音が自動車・歩行者に影響を与えないよう、新幹線の橋げたには防音壁が設置されています。JR西日本によると、この防音壁は一般的な新幹線に用いられる、高さ2mの防音壁とのこと。全列車が停車する福井駅にほど近く、橋通過時はどの列車も低速で走るため、吸音板や透明の防音板は追加設置しないといいます。これを元にすると、北陸新幹線で用いられるE7系・W7系新幹線が通過する際、自動車や歩行者からの「見え具合」は「窓から上が見える」というイメージになるそうです。