電車が走るごとにすり減っていく架線(トロリ線)。切れてしまったら大変です。このトロリ線の摩耗が、大阪で発生しても瞬時に東京で警報を出すシステムを、JR東海と日立金属が開発しました。

新幹線が走るとすり減っていく電線

 列車へ電気を供給するため、線路上空に張られている架線(トロリ線)。電車はそのトロリ線にパンタグラフを接触させ、電気を取り入れて走ります。

 そのためトロリ線は次第に摩耗していきますが、すり減り、切れてしまったら大変です。

 JR東海が2020年9月24日(木)、東海道新幹線で発生するトロリ線の摩耗について、東京にある新幹線総合指令所から把握するシステムを日立金属と共同で開発、全線に導入すると発表しました。

 東海道新幹線には、従来からトロリ線の摩耗を検知する仕組みがあります。トロリ線内部に検知線と呼ばれるケーブルが入っており、摩耗が進行して検知線が露出、断線するなどすると、警報が出されるしくみです。この警報は、沿線2〜3kmごとに設置されている表示装置で分かり、摩耗の診断は、夜間、列車の走っていない時間帯に1日1回です。

 対しこのたび開発されたシステムは、トロリ線に光ファイバを内蔵、光パルス信号を光ファイバに照射して、トロリ線の摩耗状態をリアルタイムで常時監視するもの。摩耗が進行すると、東京の新幹線総合指令所へ即時に警報が出ます。

 JR東海によると、トロリ線の摩耗が進行している地点を即時かつ高精度に知得することが可能となり、設備の安全性および保全作業の効率性がさらに向上するとのこと。

 導入は2021年2月頃から始まり、2030年度末頃に全線で完了予定。費用は約88億円だそうです。