新型コロナの影響で「数奇なデビュー」を果たしたJAL系LCC「ZIPAIR」。「国際線展開」を続ける同社の西田社長が報道陣からの質問に答えました。今後のプランや航空券の値段などなど、その姿が徐々に明らかになっています。

今後は機数を増加 でも「長期戦」もありうる国際線市場

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、これまで旅客機を用いた貨物便を運航していたJAL(日本航空)グループの国際線LCC(格安航空会社)、「ZIPAIR(ジップエア)」。いよいよ旅客便を、最短で10月から就航させる見込みを発表しました。2020年9月28日(月)、同社の西田真吾代表取締役社長が報道陣からの質問に応じ、そのプランや内容が明らかになってきました。

 新型コロナの影響で、「数奇なデビュー」を飾ったZIPAIR。現在、貨物便でソウル線、バンコク線を運航中で、今後は最短10月25日以降に、3路線目のホノルル線を開設予定です。また、現在2機の体制で運航を続けている同社ですが、将来的に機数を「半年に1機」のペースで増やすといいます。

 とはいえ、航空会社への新型コロナの影響は甚大で、国内線、国際線ともに、かつてのような旅客数に達するにはまだ時間がかかります。とくに国際線は、2国間の渡航制限などの影響があることから、賑わいを取り戻すまでいわゆる「長期戦」になる可能性も見込まれます。

 国内初の「国際線中長距離LCC」をうたう同社、その方針を転換し、需要の戻りが早まるであろう国内線の就航を始めることについて、西田社長は「いまのところ、それは検討していない」と話し、今後も国際線展開を続ける方針だとしています。

国際線を続ける理由&航空券の値段は?社長が語る

 ZIPAIRの西田社長は国際線展開を継続していくことについて、「何が何でも今後国内線を飛ばさない、というわけではありませんが」と前置きのうえ、次のように「国内線を検討しない」理由を話します。

「ZIPAIRが成田空港で使用している第1ターミナルの北ウイングは、国内線用の施設がありません。もし成田発着の国内線をここから飛ばすとなると、お客様が搭乗するまで長い距離を歩いてもらわねばならず、ご不便をおかけするということにもなりかねません。そのことから当面は、国際線のみでネットワークを拡大する予定です」(ZIPAIR 西田真吾代表取締役社長)

 また、先述のとおりZIPAIRは、2国間の当局の受け入れ態勢が整い次第、最短10月にも旅客便を再開する予定としています。とはいえ、まだ旅客便の運航実績がないことから、航空券の値段についても、まだ明るみにはなっていません。これについては「ソウル線、バンコク線はもちろん、今後就航を目指しているホノルル線についても、いわゆる『フルサービスキャリア』さんの半分の値段にできれば」と西田社長は話します。

 また同社の強みの一つである、横になれる「フルフラットシート」を搭載した上位クラスについても、具体的な値段設定は明らかにされませんでしたが、「このシートでこの価格であればよいだろうと思っていただけるようなライン」を目指すといい、「費用対効果がとくに高くなるよう」運賃を設定するとしています。

LCCっぽくない? 動画で見るZIPAIRの機内