東京都心部と臨海部を結ぶ新たな交通機関「東京BRT」の運行が始まりました。車体が2台つながった連節バスもデビュー。新機軸は車内外のほか、バス停の下にもあります。

連節バスは1台でスタート

 東京都心部と臨海部を結ぶ新たな交通機関「東京BRT」の運行が2020年10月1日(水)から始まりました。新型コロナウイルスの影響や東京オリンピック・パラリンピック(以下、オリパラ)の延期により遅れること5か月、満を持してのデビューで、各停留所や車内ではその姿を写真に収める人も多く見られました。

 今回は「プレ運行」の第1次という位置づけで、停留所は4つ。虎ノ門ヒルズ〜新橋〜勝どきBRT〜晴海BRTターミナル間、および新橋〜勝どきBRT〜晴海BRTターミナル間で運行されます。さっそく、虎ノ門ヒルズ始発のバスに乗ってみました。

 東京BRTで使われる車両は、燃料電池(FCV)バスや通常のディーゼルバスといった「単車」8両と、車体が2台つながった「連節車」1両の計9両です。虎ノ門ヒルズ1階のバスターミナルにやってきたのは、単車の燃料電池(FCV)バスでした。実は連節バスは主に新橋〜晴海BRT間の便で運行されており、おおむね1時間に1本走りますが、虎ノ門ヒルズまで乗り入れるのは朝の1往復のみです。

 バスの行先表示器には、「晴海BRTターミナル」という行先だけでなく「10時05分発」と発車時刻が大きく表示されており、定時性への自信のようなものも感じさせます。運賃は大人片道220円(均一)の先払いで、乗り方は東京23区内における通常のバスと変わりありません。

 乗り込んで奥の座席に座ってみると、傍らの壁には電源コンセントが設置されていました。最近は車内Wi-Fiが使える路線バスもありますが、それに加えて機器の充電までできるのは嬉しいかもしれません。

バス乗り場の「縁石」に注目

 バスはおもに、虎ノ門と臨海部を結ぶ環状2号線を経由して走りますが、新橋の乗り場はそこから少し入った、ゆりかもめ新橋駅の裏手にあり、どちらかといえば汐留に近い場所です。

 環状2号線に戻り、隅田川を渡ると側道へ入ります。高架下にあるのが「勝どきBRT」のバス停で、都営大江戸線の勝どき駅から徒歩で5分ほどのところに位置しています。ここを出るとバスは左折、東京メトロ有楽町線の月島駅付近まで走り右折、朝潮運河を渡って、終点の晴海BRTターミナルへ到着します。なお新橋方面行きは勝どきBRTまでのルートが異なります(晴海通り経由)。

 晴海BRTターミナルは、柵で囲まれた広大な敷地の中央付近に、バスの待機場と降り場、乗り場が設けられています。東京BRTの親会社である京成バスによると、ターミナルの両サイドの敷地は、オリパラ関係車両の基地になるといい、大会開催時には選手の送迎バスなどがズラリ並ぶとのこと。なお、現在の晴海BRTターミナルは暫定的なもので、大会終了後に本運行が開始したのち、やや移設される予定だといいます。

 東京BRTの新機軸は、この晴海のバス乗り場にも見られます。それは、バス停の下の「縁石」です。

 車両を極力、乗り場に近づけて停車させ、車両との隙間を小さくするよう、縁石の接地面が若干えぐられた形になっているのです。さらに、バスの中扉がくる位置は縁石の上が若干盛り上がっていて、乗降時には際にバス車内の床と「面(つら)が合う」(京成バス)ようになっているのだとか。車いすなども乗りやすいそうです。

 東京BRTは今後、プレ運行(2次)で豊洲やお台場へ、本格運行時はさらに晴海ふ頭方面へと、運行区間を順次拡大する予定で、連節車をはじめ、車両も増備していくといいます。