新型コロナの影響下、旅客需要が減退するなか、国内の航空会社では使用する飛行機を小型化するトレンドが続いており、ANAもこれは同様です。利用者にとってはネガティブな印象となることもある「小型化」、実はメリットも多くありました。

「狭い」などといったネガティブなイメージも

 新型コロナウイルスの影響で、国際線は出入国制限などの影響で、大幅な減便、運休が依然として続いており、平時のように再開する見通しは、まだ立っていません。

 一方、国内航空各社は国内線の運航に注力しているものの、その規模はまだ平年並みとは言えない状況です。そのようななか、各社で使用する飛行機のモデルを平時より席数の少ない小型のものを使用する「小型化」がトレンド化しています。

 この小型化、利用者にとっては「狭い」などといったネガティブなイメージが付きまとうことも。ところがANA国内線の場合、実際には、利用者にとってマイナスなことではなさそうです。

 ANAの200席以下のジェット旅客機は、エアバスA321neo型機、エアバスA320型機、ボーイング737-800、-700型機の4タイプです。いずれもコロナ禍のなか、平時より大型のボーイング777型機や787型機が就航していた国内路線に投入されることが多いモデルですが、実は座席の前後左右の間隔は、より大型の飛行機と大差はありません(A320型機には一部例外あり)。

 それどころかANA機の場合、機内の座席設備を見ると、先述の4タイプの普通席は、実は大型機より進化しているという特徴があります。

実は設備充実 ANA国内線「小型機」の設備とは

 ANAのボーイング737-800型機の39機中4機に、そしてエアバスA321型機16機すべてには、USBポートが備わっています。A321型機にいたっては、そのうち12機に電源コンセント、そして個人用座席モニターを備える最新仕様の機内となっているのです。

 さらに、8機ある737-700型機のうち7機と、14機あるA320型機のうち11機が国内線、国際線ともに使える内際共用機です。国際線用の飛行機の客室は、国内線用よりシートまわりが充実する傾向があり、これらのモデルも同様です。とくに内際共用機のA320型機は、小型機でありながらも、個人用座席モニター装備など中・大型機並みの機能を実現したといいます。もちろん、USBポートや電源コンセントなども備えています(機数は2020年10月時点)。

 一方、大型機に分類されるボーイング777型機や787型機などは、多くの機体で、これらの設備は整備前です。国内線仕様のボーイング777型機は、いわゆるモニターやUSBポート、電源コンセントが備わった座席を持っているものは2020年10月時点で、まだ4機のようです(編集部調べ)。

 ちなみに、先述した「小型機は狭い」という点ですが、胴体幅が大型機より小さい、イコール「密」につながるという心配はなさそうです。

 ANAによると「席数や、ボーイングやエアバスといったメーカーに関係なく、旅客機の設計基準に、1席あたり1分間に200L以上の空気量を供給できる換気システムを設置しなければならない、というルールがある」とのことで、当然「小型機」もそれに準じています。同社が機内ビデオなどでアピールしている「機内の空気は3分ですべて入れ替わる」は、ここから算定されたものだそうです。