新型コロナウイルス感染拡大下、ANAの国内線に「国際線仕様」のボーイング787型機が導入されています。見た目は普通のANA機ですが、乗ってみたら、機内は大きく異なりました。特徴や導入背景はどういったものなのでしょうか。

国内線仕様機より設備豪華な「国際線仕様機」

 ANA(全日空)の公式Facebookに、2020年11月18日(水)、「\国内線で国際線の気分を/〜国内線にボーイング787-8国際線仕様機が投入されています〜」といった投稿がされています。

「現在ANA国内線の一部路線に、国際線仕様の機材が投入されているのをご存じですか? 投入されているのは、国際線の中距離路線で活躍するB787-8『ドリームライナー』としてもおなじみの機体です」(ANA 公式Facebookより)

 一般的に、国際線用の飛行機はフライト時間が長くなることから、国内線用のものと比較して、客席の仕様が豪華になることが一般的です。つまり、国内線の航空券代で少し贅沢な気分を味わえる、コストパフォーマンスの高い飛行機といえるでしょう。

 時刻表上では「78M」と表記されるこの飛行機、実際に乗ることができました。先述のとおりパッと見では一般的なボーイング787型機ですが、機内に入ると、まず普通席シートの色が通常の国内線仕様機とは違います。

 ANA国内線の普通席は、青のシートを用いているのが一般的ですが、この「78M」は濃紺のもの。とはいえ、シートの横配置は3-3-3列で、国内線仕様機と差はありません。ただ「78M」の場合、座ってみると明確な違いが現れます。

色だけじゃない! 座ってわかる違い 上位クラスもウリ

 座席に座るとハッキリわかるのは、全席に搭載されたシートモニターです。国内線用のANA機では、A321neo型機やボーイング777型機など近年の最新客室仕様の一部で見られる仕様ですが、先述のとおり、設備が充実している国際線仕様機である「78M」でも、導入されています。またモニターだけでなく、USB充電や電源コンセントも備わっているのがポイントです。

 また、この「78M」の最大の特徴が、国内線上位クラスである「プレミアムクラス」。国際線用ビジネスクラス「ANA BUSINESS CRADLE」のシートを利用でき、「シートピッチ約150cm、幅約50cm、4段階に調整ができるフットレストや大型テーブルなどの機能を備え快適にお過ごしいただけます」(ANA)とのこと。

 通常であればなかなか手が届かないビジネスクラスを、運賃から上乗せすることで体験できます。値段は路線によって異なるものの、国際線ビジネスクラスを使うより遥かに“お手頃”です。

 そしてこの「プレミアムクラス」が多く配置されているのが、この「78M」の特徴でもあります。「国内線のプレミアムクラスの座席数は、B787-8で12席、B777-200では28席が最大ですが、今回投入されているB787-8の国際線仕様機では、42席」とのこと。「乗りたいけど空いていない……」ということが、ほかの座席仕様と比べて少なそうです。

共用スペースには「ナゾの台」 「78M」導入背景は?

 また、「78M」の共用スペースにも国際線機材らしい設備もありました。「プレミアムクラス」の座席の共用スペースには、何やら大きな台が。これは、国際線で飛んでいるとき「バーコーナー」として活用されていたスペースだそうです。

 ANAは、今回の「78M」を国内線に導入した経緯を次のように説明しています。

「ボーイング787型機はボーイング777と比較して運航コスト抑制効果が高いため、B777では収入がコストに見合わなかった便に対して、『78M』を国内線に計画投入することで、運航コストの抑制を図ることができるようになります。また、新型コロナウイルスの影響下で、国内線の需要が大きく減少するなか、全体の減少率に比べてプレミアムクラスの減少率は比較的軽微であったことも要因です。これまで国際線ビジネスクラスであった座席をプレミアムクラス42席として販売することで、少しでも多くのお客様に、より快適な時間を過ごしていただきたいと考えております」(ANA)

 ANAによると、この「78M」の機数は「回答を控える」としているものの、「羽田〜伊丹、福岡、沖縄、千歳線など、比較的プレミアムクラス需要の高い路線に投入している」とのことで、時刻表上でも、狙ってこの便を選ぶことが可能です。

 なお、いつまで投入されるかについては、「国際線の需要回復も見極めながら臨機応変に対応していく」とも。いつまで国内線で乗れるのかは、いまのところ未定だそうです。