かつて存在した、新千歳空港駅と旭川駅の直通列車。それを新たなルートで運転する構想が、JR北海道と北海道エアポートのあいだで浮上しています。ただ実現には、超えねばならないハードルがいくつかありそうです。

かつては存在した直通列車

 新千歳空港駅と旭川駅を結ぶ直通列車の構想が浮上していると、2021年1月4日(月)、北海道新聞が報じました。道内7空港を運営する北海道エアポートとJR北海道のあいだで浮上。新千歳空港と、それに次ぐ拠点化の計画がある旭川空港の行き来をしやすくし、新千歳空港の異常時に就航率の高い旭川空港を代替で使うことも考えているそうです。

 新千歳空港〜旭川間の直通列車は、2016年3月まで、札幌駅経由で特急「スーパーカムイ」(新千歳空港〜札幌間は快速「エアポート」として運行)が走り、同区間を2時間程度で連絡。しかし、快速「エアポート」区間の混雑に特急用車両では対応が難しいことなどから、直通運転を行わなくなっていました。

 今回構想されている新たな直通列車では、札幌駅を通らない南千歳駅、石勝線、追分駅、室蘭本線、岩見沢駅、函館本線経由で、1時間30分程度の所要時間になるといいます。

 ただ、この新列車の運行には、いくつかのハードルがありそうです。

新千歳空港〜旭川 直通新列車の課題

 まず、南千歳〜新千歳空港間の容量。同区間は単線ながら、日中は毎時5往復もの快速「エアポート」が走行し、1面2線しかホームがない新千歳空港駅で折り返し運転を実施。キャパシティが厳しく、旭川行きの列車を増発するなら、工夫が必要そうです。

 札幌駅経由の場合と異なり、経由する石勝線と室蘭本線の大部分が単線であることも課題です。列車のダイヤ設定、所要時間に影響があります。

 所要時間を考えた場合、比較的低速の普通列車しか走っていない室蘭本線の追分〜岩見沢間、その高速化対応も必要になりそうです。

 新千歳空港〜旭川間の距離は、新列車のルートだと156.6km。同区間を1時間30分で走るなら、104.4km/hという在来線トップクラスの表定速度が求められます。

 南千歳〜追分〜岩見沢間は非電化のため、新列車はディーゼルカーによる運転が考えられますが、その場合、地下駅である新千歳空港駅の排煙対策も気になります(過去に新千歳空港駅発着のディーゼル列車は存在しているほか、ハイブリッド車両を導入するなどすれば、大きな問題にはならないかもしれませんが)。

 また、経由する室蘭本線の追分〜岩見沢間は、JR北海道が「当社単独では維持することが困難な線区」としている区間。そこへコストをかけ新列車を運行することがどの程度の価値を生み出すのか、不明瞭なところがあるかもしれません。

 新千歳空港駅関係では、現在のように南千歳駅から単線の線路を空港へ分岐させるのではなく、空港直下に千歳線の本線を持ってくる構想も存在。そうしたなか新たに登場した新列車構想がどうなるか、注目されるところです。