東京や大阪の都市部では、5車線も6車線もある道路が一方通行になっていることがあります。もともと双方向通行だったのに変更されたケースも。なぜ一方通行にしたのでしょうか。

すべての車線が「ミナミへ」 御堂筋の光景

 一方通行の規制は、一般的には細い住宅街の路地などで見られますが、都心部では大きな幹線道路が一方通行というケースも見られます。

 有名なのは、大阪の御堂筋でしょう。梅田付近から難波にかけて、側道も含め6車線、側道のない箇所では最大8車線すべてが南行き一方通行になっている光景は、新聞などでもしばしば取り上げられます。大阪の中心部は、南北に並行する大きな4つの道路、四ツ橋筋、御堂筋、堺筋、松屋町筋が、それぞれ北行きあるいは南行きの一方通行になっています。

 東京でも、神田や日本橋の周辺に同じような区間が見られます。なかでも日本橋人形町や浜町の周辺は、北行き一方通行の水天宮通り(4車線)、南行き一方通行の清州橋通り(5車線)を中心として、碁盤の目をなす縦横の細い道も多くが一方通行化されています。

 このあたりの目的地へ向かう場合、一方通行が多く容易にたどり着けないことも想定されるため、ルートを事前に検討するか、カーナビの案内などに従ったほうがよいかもしれません。

 実は大阪や東京のこれら幹線道路、もともと一方通行ではありませんでした。大阪の4つの道路は1970(昭和45)年、大阪万博を機に双方向通行から一方通行に切り替わりました。折しも昭和のマイカーブームのさなか、日本の一般家庭に乗用車が普及して交通量が増えた時期です。

幹線道路も一方通行にするとどうなる?

 警視庁によると、東京の日本橋周辺の一方通行化も大阪とほぼ同時期、1971(昭和46)年3月頃に実施されています。同じ月、この地には首都高(6号向島線 江戸橋JCT〜向島および7号小松川線)が開通していることから、それに合わせたものと考えられます。

 この頃は、大阪、東京、名古屋など都市部で交通渋滞対策としての一方通行化が多く計画・実施されていました。警視庁は日本橋周辺の清州橋通りや水天宮通りの一方通行化は「都心部の交通混雑を緩和し、交通の円滑化を図るため」としています。

 警察庁は交通規制基準で、一方通行の目的を「車両の相互通行に伴う複雑、危険な交通状態を単純化して交通容量を増大させ、交通の安全と円滑を図る」としており、次のような場所を挙げています(一部抜粋)。

・交差点における交通流の整序化、単純化、安定化を図る必要性が特に高い都市部の幹線道路等。
・変則または多岐の交差点と接続し信号処理上交通流を単純化する必要がある道路。
・一定方向への交通量が著しく多く、交通の円滑を図るため必要がある道路。

 また、「通過交通を排除する必要がある生活道路」など細い道についても同様です。

 交通の流れを単純にする一方通行化。これまで、幹線道路においては交通量の増大、生活道路においては交通量の減少のほか、通過時間の向上、事故の防止、CO2(二酸化炭素)の減少など、様々な効果が認められています。