地震の影響で不通区間が生じている東北新幹線に代わり、在来線の上野〜那須塩原間で快速列車が運行されました。車両は特急形が使われ、全車自由席。このような臨時列車の運行は、過去にも例があります。

臨時快速 上野〜那須塩原間を1往復

 2021年2月13日(土)の夜、福島県沖を震源とする強い地震が発生しました。東北新幹線は複数箇所で設備の損傷が見つかり、2月16日(火)現在、那須塩原〜一ノ関間で不通となっています。

 地震翌日の14日(日)、東北本線の上野〜那須塩原間で臨時快速列車が1往復走りました。同日、東北新幹線の東京〜那須塩原間は本数を減らして各駅停車の「なすの」を運行。臨時快速は輸送力を補完するために運行されたと言えるでしょう。使われた車両は3月のダイヤ改正で定期列車としては引退する185系特急形電車でした。臨時快速列車は全車自由席で、途中停車駅は「なすの」と同じ上野、大宮、小山、宇都宮。所要時間は約2時間でした。

 このように新幹線と合わせて、在来線で快速列車を運行した例は過去にもありました。

 2011(平成23)年3月の東日本大震災の後、東北新幹線の福島〜仙台間は4月24日まで運転見合わせが続きました。その際も同区間を走る東北本線で約10日間、臨時快速列車が運行されています。新幹線との乗り継ぎに便利な「新幹線リレー号」と臨時快速、計11往復です。

元祖「新幹線リレー号」は新幹線の延長

 福島〜仙台間の「新幹線リレー号」は583系電車などの特急形車両が使われました。全車自由席で、途中は白石駅(宮城県白石市)のみに停車。これにより、東京〜仙台間が最短3時間5分で結ばれ、被災地支援に向かう人は迂回せずに仙台入りが可能になりました。

 ところで、この「新幹線リレー号」の歴史は国鉄時代末期までさかのぼります。

 1982(昭和57)年6月、東北新幹線が大宮〜盛岡間で開業しました。この時から上野駅へ延伸開業する1985(昭和60)年3月まで、上野〜大宮間の在来線で運行されたのが元祖「新幹線リレー号」です。車両は当時、最新鋭だった185系など。途中の停車駅はありません。先述した天災に起因する臨時列車とは異なり、新幹線特急券を購入しないと利用できなかったうえ、上野、大宮の各駅では乗降ホームがほかの在来線と分けられ、きっぷの確認が行われました。

 今回、新幹線「なすの」を補完する形で運行された列車は、新幹線への乗り継ぎがない点で「新幹線リレー号」とは趣旨が異なります。しかし特急形車両を用い、新幹線と同じかそれに類する停車駅で運行された点は、往年の「新幹線リレー号」を彷彿とさせるものがありました。