2021年春も、全国で多くの道路が開通します。名古屋では、周辺の道路事情を大きく変えるような路線が開通するほか、地方の路線ネットワークも充実します。ただ、通常は年度末に集中するところ、今回は「年度明け」も多いです。

三陸道 仙台〜宮古つながる

 2021年の春には、全国で多くの道路が開通します。通常は年度末の2、3月に集中しますが、今シーズンは年度を跨いで4月、5月に開通するものも。おもなものについて、開通順に見ていきます。

高知東部自動車道 高知IC〜高知南IC(高知市)

・開通日:2021年2月27日(土)
・延長:6.2km

 高知道から東へ延びる計画の高知東部道のうち、高知道に接続する高知ICから、既存の高知南ICまでをつなぐ区間が開通しました。これにより高知東部道は高知道から高知竜馬空港ICまでの事業名「高知南国道路」15.0kmが全線開通。高知駅から高知龍馬空港までの所要時間も約36分から約26分に短縮されました。

 なお、高知龍馬空港ICより先は、香南のいちICに至る区間が建設中、香南のいちIC〜芸西西IC間は開通済みです。

都城志布志道路 有明東IC〜志布志IC(鹿児島県志布志市)、金御岳IC〜末吉IC(宮崎県都城市〜鹿児島県曽於市)

・開通日:有明東IC〜志布志IC=2021年2月27日(土)、金御岳IC〜末吉IC=3月28日(日)
・延長:いずれも3.6km

 宮崎県都城市と、国際港のある鹿児島県志布志市をつなぐ都城志布志道路のうち2区間が開通。都城市側で宮崎道に接続する都城IC〜横市IC間はまだ建設中ですが、都城市内から志布志市街地近くまで、高規格の自動車道がつながります。

 志布志港は南九州の畜産や農産品が集まり、フェリーさんふらわあが大阪行きの大型旅客フェリーも運航するなど、観光の拠点ともなっています。志布志へは、鹿児島市側から東九州道の延伸工事も進んでいますが、北の都城側へのルートが先行してつながることになりました。

三陸沿岸道路 気仙沼港IC〜唐桑半島IC(宮城県気仙沼市)、洋野種市IC〜侍浜IC(岩手県洋野町〜久慈市)

・開通日:気仙沼港IC〜唐桑半島IC=2021年3月6日(土)、洋野種市IC〜侍浜IC=2021年3月20日(土)
・延長:気仙沼港IC〜唐桑半島IC=7.3km、侍浜IC〜洋野種市IC=16km

 仙台市から青森県八戸市に至る三陸沿岸道路の2区間が開通。宮城県内では東日本大震災の復興道路は約126kmの全てが完成し、気仙沼港IC〜浦島大島IC間に架かる1344mの「気仙沼湾横断橋」は、新たな観光資源となることも期待されています。また侍浜IC〜洋野種市IC間の開通により、久慈市から八戸市の間もすべてつながります。仙台〜八戸間は、2021年度の全線開通が予定されています。

 これとは別に、岩手県の盛岡市と宮古市を東西に結ぶ復興支援道路「宮古盛岡横断道路」も、3月28日(日)に一挙3区間が開通。盛岡〜宮古間の所要時間は、震災前と比べ30分ほど短縮され1時間26分程度になる見込みです。

地震で落ちた橋、5年で「新生」

 3月は道路開通ラッシュが続きます。

国道325号「阿蘇大橋ルート」(熊本県南阿蘇村)

・開通日:2021年3月7日(日)
・延長:1km

 2016年の熊本地震で落ちてしまった阿蘇大橋が、5年の歳月を経て復活します。24時間施工や、足場と型枠を一体化したクライミング工法といった技術で工期短縮を図り、落橋した橋の近くで、新しい阿蘇大橋が開通することとなりました。

 これにより、国道325号における熊本市内方面と南阿蘇方面のアクセスルートが回復し、熊本IC〜南阿蘇村役場間の所要時間が約60分(震災直後)から約33分に短縮。南阿蘇地域の観光活性化が期待されています。

有明海沿岸道路 大川東IC〜大野島IC(福岡県大川市)

・開通日:2021年3月14日(日)
・延長:3.7km

 有明海沿いに福岡県大牟田市から佐賀県鹿島市に至る計画の有明海沿岸道路が延伸。今回の開通区間では、幅の広い筑後川を有明筑後川大橋で跨ぎ、筑後川と早津江川の中州にあたる大野島に新たなICが誕生します。

 なお、大野島ICから佐賀県に入った諸富ICまでの区間は、2022年度の開通を予定しているほか、それ以外の佐賀県内の区間も建設が進んでいます。

国道408号「真岡南バイパス」(栃木県真岡市)

・開通日:2021年3月20日(土)
・延長:3.1km

 真岡南バイパスは、北関東道の真岡IC付近と宇都宮市を南北に結ぶ「鬼怒テクノ通り」の南側延伸部にあたり、今回の開通により国道294号と接続します。常磐道の谷和原IC(茨城県つくばみらい市)から東北道の矢板IC(栃木県矢板市)に至る計画の地域高規格道路「常総・宇都宮東部連絡道路」の一部です。

 既存の鬼怒テクノ通りは、自動車専用道ではない「一般道」ですが、自動車専用道に近い交通規制を採用しており、片側2車線となる一部区間で最高速度が80km/hとなっています。ただし、今回開通する真岡南バイパスは暫定2車線(片側1車線)での開通です。

3月下旬に高速道路が続々と

 3月下旬には開通が集中します。

徳島南部自動車道 徳島沖洲IC〜徳島津田IC(徳島市)

・開通日:2021年3月21日(日)
・延長:2.4km

 徳島道の徳島JCTから県南部へ延びる計画の徳島南部道、その最初の開通区間になります。徳島県庁の東、新町川の最下流部に新設された橋の区間2.4kmで、南海フェリーやオーシャン東九フェリーの乗り場が近くにあります。

 この開通により、徳島市街の国道11号や国道55号など発生する渋滞の緩和や、臨海部における企業誘致への貢献が期待されています。なお、徳島道と今回の開通区間をつなぐ徳島JCT〜徳島沖洲IC間は、NEXCO西日本の施工により2021年度の開通予定。徳島津田ICから南、阿南ICまでのあいだも国の施工により事業が進んでいます。

福岡都市高速6号「アイランドシティ線」 香椎浜JCT〜アイランドシティ(福岡市東区)

・開通日:2021年3月27日(土)
・延長:2.5km

 福岡北九州高速道路公社が運営する都市高速の新路線。1号香椎線の香椎浜JCTから分岐し、博多湾の人工島である福岡アイランドシティに至ります。アイランドシティはさらに、「海の中道大橋」で海の中道へ通じており、博多湾を横断するルートが完成します。

 この開通により、福岡市役所からアイランドシティまでの所要時間は、24分から17分に短縮。整備効果として福岡市東部地域の交通混雑緩和や、アイランドシティ地区国際海上コンテナターミナル、青果市場などの交通需要に対応するとされています。

函館新外環状道路 赤川IC〜函館空港IC(北海道函館市)

・開通日:2021年3月28日(日)
・延長:7.6km

 函館新外環状道路は、函館新道および函館江差道が接続する函館JCT/ICから東へ延びる国道278号のバイパスです。今回の延伸により、函館市街地を山側に迂回する形で函館空港ICまで到達する10kmの自動車道がつながります。

 函館ICから空港までの所要時間は、函館新外環状道路の開通以前に夏季で30分かかっていたところ、今回、空港ICまで開通することで11分に短縮されるそう。なお、既存の函館IC〜赤川ICも、今回の延伸にあわせて暫定2車線(片側1車線)から4車線に増えますが、新規開通する赤川IC〜函館空港IC間は2車線です。

年度明けに開通する「大物」

 今シーズンは4月以降も開通ラッシュが続きます。

新東名高速 新御殿場IC〜御殿場JCT(静岡県御殿場市)

・開通日:2021年4月10日(日)
・延長:7.1km

 新東名が御殿場JCTから神奈川県側へ1区間、延伸します。同時に、新御殿場ICとアクセス道路でつながる国道138号「御殿場バイパス」、および「須走道路」水土野IC〜須走口南IC間も開通し、山梨県富士吉田方面へ通じる東富士五湖道路、さらに中央道(富士吉田支線)まで自動車専用道で結ばれます。経路選択の幅が大きく広がりそうです。

 なお御殿場JCTは、東名の東京方面から新御殿場ICへ、あるいは新東名の静岡方面から東名の静岡方面へ、といった「Uターン」の形をとる経路は利用できません。東京方面から東富士五湖道路方面へ向かう場合は、東名の御殿場ICなどでいったん降りることになりますが、静岡方面からは新御殿場ICへ直通できます。

 新東名で残る神奈川県〜静岡県間の工事区間は、伊勢原大山IC〜秦野(仮)IC間が2021年度、秦野(仮)IC〜新御殿場IC間が2023年度に開通予定です。

名二環(名古屋第二環状自動車道)名古屋西JCT〜飛島JCT(名古屋市中川区〜愛知県飛島村)

・開通日:2021年5月1日(土)
・延長:12.2km

「名古屋の外環道」にあたる名二環の左下部分が開通。これにより、伊勢湾道とあわせて名古屋の外側を環状に結ぶ道路「名古屋環状2号線(66.2km)」が、専用部(名二環+伊勢湾道)、一般部とも全線開通します。都市計画の決定から実に53年を経ての全通です。

 この開通にあわせ、5月1日(土)の午前0時より「中京圏の新たな高速道路料金」がスタート。名二環と名古屋高速に対距離料金制が導入されるほか、東海環状道の内側が大都市近郊区間の料金水準に統一されます。

 環状道路を利用した迂回がしやすいよう、経路によらず起終点間の最短距離を基本とする料金を適用するという趣旨ですが、都心部経由の料金の方が高い場合には、都心部経由の料金は引きさがりません。

東北中央自動車道 霊山IC〜伊達桑折IC(福島県伊達市)

・開通時期:2021年ゴールデンウイーク前後
・延長:10.2km

 この区間は2020年度中の開通が予定されていましたが、2月に発生した福島県沖地震で橋のジョイントの補修が必要になったことから、開通がゴールデンウイーク前後に延期されました。

 東北中央道は福島県内で常磐道から東北道を結ぶとともに、山形県中央部を南北に貫き山形道、秋田道をつなぐ道路です。東日本大震災の復興支援道路に位置付けられている常磐道から東北道までの区間は、この霊山IC〜伊達桑折IC間の開通をもって、全てつながります。