ANAが東日本大震災からの復興の願いを込めた特別塗装機「東北FLOWER JET」の運航を終了。その機体を通常塗装に戻しています。この塗り替えの様子を取材したところ、通常では見られないものがたくさん見られました。

2016年導入 東北地方にちなんだ17種類の花を機体に

 ANA(全日空)が2016(平成28)年から運航を開始した特別塗装機「東北FLOWER JET(ボーイング737-800型機。機番:JA85AN」)」が2021年4月20日(火)をもって運航終了となりました。翌21日(水)に、派手な特別塗装から通常のANA機へデザインを戻す作業が実施されています。

「東北FLOWER JET」のデザインは、2011(平成23)年に発生した東日本大震災で深刻な影響を受けた東北地域に対する復興の願いを込めたものだそう。発案者はANA福島空港の社員で、胴体全体に東北地域にゆかりのある、17種類の花があしらわれています。

「東北FLOWER JET」当初2020年までの5年間、この特別塗装で定期便に投入される予定でしたが、結果的に計画より少し長い2021年4月まで運航を継続。この塗装での最終便は、宮古発那覇行きのNH1730便で、その翌日には那覇空港内で数多くの航空会社の航空機整備などを手掛ける「MRO Japan」の格納庫で、機体のメンテナンスと同時に、通常塗装への塗り替えが実施されています。

「フラワー」→「通常ANA機」へ でもその様子も特徴的

 この「東北FLOWER JET」の特別塗装は、機体に直接塗料を塗りつけるタイプのものではなく、実は通常塗装の上に特別デザインをあしらった巨大なデカールシールを貼るスタイルのものでした。そのため通常塗装に戻す作業も、塗装を塗り替えるというより、「シールはがし」のようです。整備士10人が手分けをして、巨大な旅客機の胴体からデカールが剥がされると、通常のANA塗装とほぼ同じような機体が出現しています。

 ちなみに、当初の計画では「塗装はがし」作業を21日いっぱいまで実施予定でしたが、作業当日は午前中でこの工程を完了。予定より早く同日午後から次の作業に入りました。

 先述のとおり、この機体は通常塗装の胴体を覆うようにデカールが貼り付けられていますが、機首や非常口ドアなど一部は、特別塗装でデザインの違和感が発生しないよう、塗料で塗り替えられています。たとえば、機体後部にある「日の丸」の国籍表示が、実は胴体片面につきふたつあり、もうひとつはデカールの中に隠れてました。

 午後からの作業は、この部分を一部をリペイントするもの。非常口のドアをスタッフがローラーなどを使い、塗料を用いてANAのトレードカラーのひとつである「モヒカンブルー」に塗り替える様子などが公開されています。