ボーイングの新技術がふんだんに盛り込まれた旅客機「787」。導入開始から9年経ったJALでは、記念すべき50機目が成田空港に到着しました。JALにとって787が主力機になるまで、どのような経緯があったのでしょうか。

運航開始は2012年「4月22日」

 アメリカの航空機メーカー、ボーイングが新技術をふんだんに盛り込んだ旅客機が「ボーイング787」です。

 この旅客機は、静粛性や燃費に優れていることはもちろんのこと、胴体を従来のアルミ合金から複合材(カーボン素材)を使用することで、高高度を飛ぶときにも従来機より地上環境に近い高い客室与圧を保てるほか、窓の大型化、航空機向け温水洗浄機能付き便座「ウォシュレット」の導入など、様々な面から航空業界に革命を起こしたモデルでもあります。

 このボーイング787のJAL(日本航空)向け50号機(787-9。機番:JA881J)が、2021年4月22日(木)の13時30分すぎ、シアトルのペインフィールドから成田空港に到着しました。

 JALではボーイング787を2012(平成24)年3月25日に初めて受領。旅客便の運航開始日は、奇しくもちょうど9年前の2012年4月22日で、当時新規路線であった成田〜ボストン線でした。

 その後は運航機数や路線数を増やし、JAL国際線の主力機にまで成長します。2017(平成29)年には、胴体延長を図ったサブタイプ「787-9」も導入されました。現在JALは、初期タイプの787-8を29機、胴体延長タイプの787-9を21機保有しています。

 そして2019年からJALの787は、国内線にも活躍の場を広げます。担当したのは羽田〜伊丹線で、当初は「ほぼ伊丹線専用機」といった使い方でした。伊丹空港は、市街地にありアクセス性に優れるゆえ、騒音問題を多く抱える、ある意味シビアな空港です。ここにエンジン音の静粛性に強みを持つ787を投入することで、近隣住民への負荷を減らすことになりました。

 その後は、燃費の良さや快適性の高さで運航路線を拡大。とくに新型コロナウイルス感染拡大下は、伊丹線以外の羽田発着の国内幹線を中心に存在感を発揮するようになりました。2021年現在は、国内、国際両面で、JAL屈指の主力機のひとつにまで成長したといえるでしょう。

 また、JALが展開する中長距離LCC(格安航空会社)のZIPAIRは、JALの787を転用し、外装や機内を改修し導入。コロナの影響により、計画を変えながらも、2020年から運航を始めています。

「50号機」はどんな機体? ボーイングにとっても記念機

 この日到着したボーイング787-9「JA881J」は、ビジネスクラス、プレミアムエコノミー、エコノミーの3クラス編成で、計195席仕様の国際線仕様機です。そしてこれを追うように、22日には787シリーズの51号機(ボーイング787-9。機番JA882J)を受領。24日(土)にも、羽田空港に到着する予定です。

 今回の成田空港へのフェリーフライト(回航)を担当したパイロット、JAL運航基準技術部試験飛行室の植田 竜室長は、次のようにコメントしています。

「初号機導入のときは、2機が同日、わずか1時間差で羽田と成田に飛来しました。この50号機、51号機も同様の計画があったものの、制作の都合からこれはかないませんでした。初号機でフライトを始めたときと比べると、787は複合素材を使いこなした機材の良さは変わらず、ソフトウェアを中心に、様々な面で信頼性が上がっています。787で、皆さんの旅のお供をさせていただけることを楽しみにしております」

 ちなみに、今回成田空港に到着した「JA881J」、これまた偶然ですが、ボーイングにとっても、787の999機目の納入機にあたるそうです。