山陽電鉄を半世紀にわたり走った3000系電車のうち、ツートンカラーの復刻塗装を施されて最後まで定期運用されていた1編成が引退。そのさよならイベントに合わせて、駅そば店が発売した「ツートングルメ」が想定外の人気ぶりを見せています。

「山陽電車のツートン」引退の陰で「再現メニュー」が人気

 神戸と姫路を結ぶ山陽電鉄において、1969(昭和44)年から約50年もの長きにわたって走り続けた3000系電車、その最後の1編成(3030号)が、2021年5月21日(金)をもって定期運用から退きました。クリーム色とネイビーブルーのツートンカラーに復刻塗装されたこの車両の引退に向けて「さよならイベント」が計画されていたものの、新型コロナウイルスの感染拡大により、予定されていたヘッドマーク装着が中止になるなど、やや寂しい幕切れとなりました。

 その一方、山陽電鉄沿線や構内で営業する「山陽そば」が期間限定で発売した「ツートンメニュー」の予想以上の美味しさが、SNS上などで話題を呼んでいます。山陽そばによると、3030号の引退記念ノベルティが付属するため、ある程度の売れ行きは想像していたそうですが、長年の定番「ぼっかけそば」に次ぐ勢いで、予定数の1800食は想定よりはるかに早く完売したそうです。

 これら「ツートンメニュー」は2つあり、いずれも次のような食材で、山陽電車のツートンカラーを丼の上に表現しています。

・「ツートンそば・うどん」:神戸名物ぼっかけ(牛すじ肉の煮込み)、天かす、わかめ
・「ツートン丼」:ぼっかけ肉のそぼろ・錦糸卵

 山陽そば各店には「グッズがなくてもあのメニューを食べたい」との声が多く寄せられ、予定数を完売したのちも、メニュー名を「2色そば・うどん」「2色丼」と変更して、5月31日(月)まで提供するといいます。

6月以降は? 実は「ツートンスイーツ」も

 山陽そばによると、いまも「定番メニュー化を」との声がかなり寄せられ、反響に驚いているといいますが、当面は次の新メニューも決定済みで、券売機のボタン数も決まっているため6月以降の早期復活は難しいとのこと。ただ「2色丼」の復活は検討しているそうです。

 これらは単品で頼んでも十分に美味ですが、「ツートンセット」で頼んで、ぼっかけの旨味が染み込んだ出汁を丼に少しだけかけるのもお勧めです。ベースとなるぼっかけの旨味だけでなく、各パートともしっかり美味しく、どの順番で食べてもさまざまな味の出会いを楽しめることが、人気の秘密ではないでしょうか。

 また、山陽明石駅構内の「山陽たい焼」では、ブルーベリーとマンゴーで2色に彩られた「濃厚ツートンジュース」を提供していましたが、こちらは「濃厚ジュース・マンゴー&ブルーベリー」に改称し、やはり5月末まで販売を継続するといいます。

 ちなみに、山陽そばは普段からメニュー開発などに積極的で、過去のメニューや限定メニューを見ても「明太クリーム細うどん」「天上のかき揚げそば」(店舗限定)など、その発想の幅の広さは駅そば界でも際立っています。駅構内では山陽明石駅や板宿駅などに店舗を構えるほか、飾磨(しかま)駅の頭端ホーム端にある店舗は、本線と網干線の乗り換え経路上にあり、存在を知る人も多いでしょう。駅に到着する電車のブレーキの緩解音を聴きながら、そばをすするひとときは、構内ならではの楽しみといえそうです。