ANAグループで全機退役し、最後の1機が日本を離れた「737-700」。ANAカラーの「ずんぐりむっくり737」はこれで姿を消すことになりました。どのような飛行機だったのでしょうか。その姿を退役直前から追っていきます。

全長33m!客席も120 とにかく「小柄な737」

 ANA(全日空)グループで2005(平成17)年から運航されていた、ボーイング737-700が2021年6月27日(日)をもって旅客便ラストフライトを迎え、7月6日(火)の午前にラスト1機「JA06AN」が離日しました。これで、「ANAカラー」をまとったボーイング737-700は、日本から姿を消したことになります。

 現在のANA主力機のひとつといえば、ボーイング737-800。このたび退役した737-700はその「姉貴分」ともいえる存在です。ANAグループで737-700は、全18機が導入されました。特徴は、737-800(全長39.5m)より約6m短い、約33.6mの胴体。737-800は中央の非常口ドアが2つ連なっているのに対し、737-700は中央の非常口ドアが1つで、ここで見分けることができました。

 短い胴体ゆえに客席数もそう多くはなく、ラスト1機となった「JA06AN」の場合、席数は120。2021年7月現在ANAグループで導入されているジェット旅客機のなかでは、もっとも席数の少ない機体でした。

737-700の強みは? ラスト1機の退役フェリーの様子とは

 ただ、この機体は「国内のほぼすべての空港に就航した」(ANA)ことに加え、国際線も担当。機体のサイズのわりに、幅広い“守備範囲”を持ちました。同機を担当したパイロットは口を揃えて「737-700は、短い滑走路でも離着陸できる高い性能をもっている」といいます。その高い性能が、その守備範囲を支えた要因ともいえるでしょう。

 ANAでラスト1機となった「JA06AN」の退役フェリーフライト(回航)は、過去に同型機の退役フェリーフライトを担当したこともある、米澤機長、矢澤機長の2名が担当しました。矢澤機長は「まだまだ飛べるのに、お疲れ様」とコメントしています。通常旅客機は20年から25年使用されることが多いなか、ANAグループで737-700が活躍した期間は、わずか16年程度となりました。

 出発前、矢澤機長は「(これまでの退役フェリーでも)最後の着陸は目にジーンと来るものがありました。今回はそれ以上に思いがこみ上げてくると思います」と述べたのち、機内に乗り込みました。同機の機体最前左側(L1ドア)には、マジックで寄せ書きが。同機を運航するANAウイングスの社員が、書き込んだものだそうです。