名車と呼ばれたバイクの生産終了が相次いでいます。しかし、その人気の高さゆえに、復活を遂げたモデルも。熱烈な人気のあった伝説の5車種を紹介します。

引退後も語り継がれるバイクたち

 2021年3月、ヤマハSR400の最後のモデルとなる「SR400 Final Edition」(税込60万5000円)、「同 Limited」(税込74万8000円)が発売されました。SR400が誕生したのは1978(昭和53)年3月。それから43年間もの間、基本設計はほとんど変えられず、キックで始動するという伝統を守り抜き、ヤマハ製のバイクの中でも群を抜くロングセラーを記録した名車です。最後の2モデルは予約の時点で各1000台が即完売。ヤマハの公式見解は「本当に生産終了であり、復活の予定はない」としています。

 とはいえ、熱烈なファンは奇跡の復活を待ち望んでいます。というのも、過去には人気の高さゆえに、生産終了が発表された後、復活を遂げたバイクがいくつかあったからです。そのうち5車種を紹介していきます。

●ホンダ「モンキー」

 1967年(昭和42年)に最初のモデル「Z50M型」が登場して以来、ホンダ製バイクとしてはスーパーカブに次ぐロングセラーとなった人気車種です。人気を受けて、姉妹車である「ゴリラ」も開発されました。車体色のバリエーションが日本のオートバイで最も多いという記録も持っています。

 2017年、排出ガス規制の影響で、対応機種を作らず生産終了することを発表。多くのモンキーファンが悲しみに暮れました。しかし同年の「第45回東京モーターショー」でシリーズ初の原付二種となる「モンキー125」(排気量125cc)が新たに発表され、2018年7月から販売開始となり復活を遂げました。

●カワサキ「Z1」

 1972(昭和47)年から1976年という、わずか5年間しか製造販売されていないにも関わらず、今や「Z伝説」などとも言われ、カワサキの代名詞となっただけでなく、スポーツバイクを代表する金字塔となったカワサキ「Z1」。

 その伝説の"Z"の名前を受け継ぎ、Z1を現代に復活させたのが、2017年に発売された「Z900RS」です。ティアドロップ形状の燃料タンクや独特なテールカウルなど、そのスタイリングは往年のZ1からインスピレーションを受けて作られています。

"Zの末裔"というプレッシャーの中、2017年の発売以来、401cc以上の大型二輪でトップセールスを誇り、文句なしの復活を遂げています。

50年越しの復活だってある!

●カワサキ「MEGURO」

 2021年2月に発売されたカワサキの800ccバイク「MEGURO K3」。こちらはなんと、戦前の1927(大正13)に創業した日本発のスポーツバイクメーカー「目黒製作所」が1964(昭和39)年まで開発していた「メグロ」を復活させたもので、実に50年以上の時を経て復活したバイクです。

 戦後、収益に苦戦していた目黒製作所を当時の川崎航空機工業が買収し、メグロは消滅しました。その後、メグロ系技術者は「カワサキ650W1」の開発で中心的存在となり、"ビッグバイクのカワサキ"の礎を築きました。

「MEGURO K3」は税込で127万6000円と、同じランクのバイクと比較して高額に設定されていますが、事前発注分だけで既に計画販売台数に達するなど、注目を集めています。

●スズキ「隼」

 正式名称は「GSX1300Rハヤブサ」で、1999(平成11)年からスズキが"世界最高速"の座を勝ち取るために開発した大型自動二輪車です。発売当時、最高速度が312km/hを記録し、20世紀最速の市販バイクとなりました。しかし、2017年、世界的に厳しくなった排ガス規制に対応できなくなり、生産終了が発表されました。

 しかし2021年3月、スズキは4年ぶりに新仕様のハヤブサを正式発表、4月7日から日本市場向けに新車販売が再開されました。

 なお、かつては"世界最高速"の座をほしいままにしていましたハヤブサも、新モデルでは最高出力がダウン。ただしその分、本体価格は196万円となり、"200万円以下で手に入るハヤブサ"として復活を遂げました。

●ヤマハ「セロー250」

 2017年に生産を終了したヤマハ「セロー250」はなんと、わずか1年後の2018年8月に復活を遂げています。

 セロー250は225ccの時代も含めると、約35年の歴史を持つヤマハのロングセラーモデルでした。二輪二足で野山に分け入る"マウンテントレール"という新しい文化を作り、その軽さ、扱いやすさなどからオフロードの金字塔となりました。

 残念ながら、復活から2年後の2020年7月末で再び生産終了に。根強いファンを持つ車種だけに、二度目の復活が待ち望まれています。