建設が進んでいる西九州新幹線。その長崎駅は、日本トップレベルの終着駅らしさを持った駅になりそうです。現場を取材したところ、ホームに上がると「長崎らしい風景」が待っていました。そうなるよう、工夫しているそうです。

超弩級戦艦「武蔵」は長崎生まれ 行き止まりの線路の先は…

 2023年秋の開業予定で建設が進んでいる西九州新幹線。2021年7月12日(月)にその長崎駅ホームを取材したところ、「日本一終着駅らしい新幹線駅」になる予感がしました。

 高架構造になっている建設中の長崎駅新幹線ホームへ上がると、その線路の行き止まりの先に、海が見えました。

 そして幾本もの巨大クレーンと、海上自衛隊のイージス護衛艦「こんごう」の姿。

 長崎港に海自の基地はありません。三菱重工の長崎造船所です。この造船所では多くの護衛艦を建造。戦艦「武蔵」も長崎造船所生まれです。「こんごう」は今回、メンテナンスで里帰りしていたのでしょうか。

 歴史的に日本の玄関口だった長崎の港、そうした長崎の歴史と経済に深い縁を持ち、長崎のシンボルでもある三菱の造船所。「もうこれ以上、物理的に行けません」と言わんばかりに切れていた終着駅のレールの先に、ありました。

ホームに工夫 そして旅人は「新幹線線路の西の果て」へ

 西九州新幹線の長崎駅ホームは、海側(行き止まり側)へホームを延長。先述の「長崎らしい眺望」で乗客を出迎えられるよう、工夫しているそうです。

 ちなみに正確には、延長したのは「ホーム」ではなく「通路」とのこと。線路の行き止まりでは、ホームから線路の末端までに「余裕区間」が必要ですが、その「余裕区間」へホームを延長する形で通路を設け、「新幹線線路の西の果て」まで行き、その景色を楽しめるようにされています。いま存在する日本の新幹線計画で、長崎駅は最西端です。

 正規のホームは6両編成に対応する160mの長さで、それに通路が延長されて250m近くになっています。

「終着駅らしい新幹線駅」というと鹿児島中央駅も思い浮かびますが、かつてその新幹線ホームから見られた桜島は、建物で姿が遮られてしまいました。

 しかし長崎駅の場合、地元の要望でホームからの眺望が確保されたそうですから、末永く「日本最西端の新幹線終着駅」として、旅人を情緒満点に迎えてくれるでしょう。

 そのホームからの風景には、ライトアップが「日本夜景遺産」に認定されている女神大橋も架かっており、夜の眺望も楽しみです。