JR東日本の全車2階建て新幹線「Max」には、ある「弱点」があります。2021年10月1日の定期運行終了が迫るなか、その「弱点」に関係する新しい試みが、その車内で始まりました。

2階建て新幹線「Max」の「弱点」 改善はされたが…

 全車両が2階建てになったJR東日本の新幹線電車「E4系『Max』」が、2021年10月1日(金)で定期運行を終了する予定です。

 これにより、1985(昭和60)年に東海道・山陽新幹線の100系電車から始まった新幹線の2階建て車両が、ひとまず終わりを迎えることになります。

 まもなく引退するこの2階建て新幹線「Max」には、ある“弱点”が存在します。

 最高速度が240km/hと遅いこと、荷物スペースが狭いことなどもありますが、車内販売も“弱点”のひとつ。全車両が2階建てで、各車両に階段があるため、ワゴン販売が容易ではないのです。

 このため初代「Max」(E1系)は、ワゴン販売が行えませんでした(かわりに車内自販機や売店などで対応)。

 E1系の3年後に登場した2代目「Max」E4系は、階段部分にワゴン昇降装置を設置。ワゴン販売を可能にしているのですが、専用の小ぶりなワゴンを使わねばならないという制約があります。

 歴代「Max」の悩みどころであった「車内販売」。その引退が間近に迫ったいま、E4系「Max」で新しい車内販売の試みが始まっています。

「スマホ時代の車内販売」とは? 「三方良し」の仕組み

 JR東日本は2021年9月4日(土)から、E4系「Max」を使用する上越新幹線「Maxとき316号」と「Maxとき321号」で、「モバイルオーダー&デリバリー型車内販売の実証実験」を開始しました。

 座席にあるQRコードをスマホなどで読み込み、専用サイトから、下り列車は高崎駅発車前までに、上り列車は長岡駅発車前までに注文すると、越後湯沢駅で商品を積み込んで座席まで届けてくれる、というものです。

 今回の実証実験は10月1日(金)までの土休日に行われ、越後湯沢駅内にある店舗「ぽんしゅ館」が扱う新潟名物を、車内から注文することができます(15・16号車2階グリーン席のみ利用可能)。

 実証実験を行うジェイアール東日本企画によると、この仕組みによって「利用者にとって商品の選択肢が増える」「車内販売事業者にとって在庫リスクを大きく低減できる」「エキナカ事業者にとって通過客という販売先が増える」という「三方良し」のメリットが期待できるそうです。

 引退が迫った、車内販売があまり得意ではなかったE4系「Max」。その車内でいま、新しい車内販売が生まれようとしています。