上野の山の地下にある廃駅、京成線の博物館動物園駅を独占取材。真っ暗闇のホーム連絡通路を渡った先には、ここならではの「壁画」が存在しました。

スカイライナーが「52分」時代を映す地下ホーム

 東京・上野公園の一角には、珍しい「地下の廃駅」が存在します。1997(平成9)年に休止(2004年廃止)となった京成本線の「博物館動物園駅」です。今回、京成電鉄の協力を得てその中へ、さらに、イベント時などでも公開していない地下2階のホームまで潜入しました。

【前編】では地下2階の改札ラッチ付近までの様子を紹介しましたが、その改札の横に、京成上野行き(上り)ホームが続いています。

 ふだん誰も足を踏み入れない空間だけあって、休止から24年のあいだに降り積もった埃で黒ずんでいます。しかし線路は、実際の営業列車が頻繁に通過していきます。

 壁の一画には、古いスカイライナーの宣伝用ポスターが残されていました。よく見ると、日暮里から成田空港まで「52分」とあります。いまは最短36分ですが、当時はまだ成田スカイアクセス線がなく京成本線経由だったため、時間がかかっていました。

 ホームは2面2線の相対式で、下りホームへは、線路をくぐる地下通路で連絡しています。狭く、真っ暗な地下通路を歩いているあいだも、轟音を響かせながら列車が行き交っていました。

「ぞうさん ペンギンさん 元気でね!」から24年

 下り線のホームにあがると、すぐ目につくのが「ペンギン」の壁画です。同じホームの京成上野寄りには「ゾウ」の壁画も。上野動物園の最寄り駅であることから描かれたものではないかと言い伝えられていますが、いつ、誰が描いたものかなど、詳しいことはわかっていないそうです。

「ぞうさん ペンギンさん 元気でね! 僕はずっと忘れないよ!」

 駅休止の3日前、1997年3月29日の日付がある壁の落書きから、この駅のシンボルとして愛されたことが伺えます。

 壁面の路線図を見れば、京成上野と日暮里のあいだに普通列車のみの駅として「博物館・動物園」と記載されているほか、北総線は旧称である「北総・公団線」として印西牧の原が終点。いまはなき「急行」の種別も見られます。

 また4両編成以上の電車はすべて当駅を通過していたこともあり、終電は18時台と他の駅よりも大幅に早かったようです。

 まさに、24年前から時が止まった旧博物館動物園駅。同行した京成上野駅の香取利和駅長は、今後について次のように話します。

「旧博物館動物園駅は当社としても、歴史上の価値がある重要な建築物と考えています。今後も、上野エリアの発展に活用できるよう、様々なアイデアを考えていきたいと思います」

 また、トンネル内にある駅のため、火災などの災害が発生した場合、乗客の避難誘導経路としても活用されるということでした。

※一部修正しました(9月14日20時55分)。

【探検】真っ暗な地下通路の先に「ペンギン」が(当該シーンは3分55秒頃〜)