JR東日本が「Suica」のデータを分析し、コロナ禍の通勤時における山手線駅の利用状況を調査しました。2020年1月の改札出場数を100%として指数化し、特定の時期に年代・性・駅別でどのような変化があったかを算出しています。

シニア層はさほど出勤控えとはならず

 コロナ禍となった2020年1月から2021年9月まで、JR東日本は交通系ICカード「Suica」のデータを分析し、通勤時における山手線駅の利用状況の変化を調査しました。結果、東京中心部に通勤する人は、コロナ禍前の50〜70%で推移したといいます。

 データ取得にあたり、平日午前7時から10時まで、山手線全駅の改札を定期券・チャージ利用で出場した数を合計。2020年1月を100%とし指数化しています。

 これによると、利用者数は1回目の緊急事態宣言が発出された2020年4月から5月にかけてが最も低くなり、一時は30%を割り込む結果に。宣言解除で持ち直すものの、感染者数が増えたり再び宣言が発出されたりするたびに利用は減り、2021年9月末までのあいだに80%以上に回復することはありませんでした。

 特定の時期、2021年7月の利用状況を男女別・年代別で見てみます。すると男女とも30代と40代に通勤を控える傾向が出、男性で40%以上、女性で35%以上の利用減となりました。一方、60代以上の減少率は男性で27%、女性で15%にとどまっています。

 また、回復状況についてコロナ禍1年経過後の2021年1月と比較すると、最も増加したのが60代以上の女性で16ポイント、最も増加幅が小さかったのが40代の男性で5ポイントでした。ちなみに若年層はそれぞれ、20代男性で9ポイント、女性で10ポイント、30代男性で7ポイント、女性で10ポイントの増加です。

山手線の主要7駅を抽出 結果は?

 山手線の主要7駅を「オフィス駅」と「商業駅」に分け、利用者の減少率を見てみます。「オフィス駅」には東京、新橋、品川が、「商業駅」には上野、池袋、新宿、渋谷がそれぞれ該当します。

 結果、2021年1月は「オフィス駅」が3駅とも50%以上減少。特に品川駅は57%減でした。一方「商業駅」は「オフィス駅」ほど落ち込みはしなかったものの、例えば渋谷駅では40%減となりました。山手線全駅の平均減少率は44%です。

 半年後の2021年7月にはどうなったでしょうか。前出の主要駅は全て回復傾向でしたが、「オフィス駅」より「商業駅」の方が増加幅は大きくなりました。渋谷駅で13ポイント回復した一方、品川駅は5ポイントにとどまりました。ちなみに東京、新橋、上野、新宿はいずれも8ポイントの増加です。

 朝の通勤時間帯とされる平日午前7時から10時について、これをピーク時間帯(8〜9時)とオフピーク時間帯(7〜8時と9〜10時)に分け、2021年7月にそれぞれの時間帯の利用者はどう変化したかを調査しました。

 主要7駅では渋谷駅を除き、ピーク時間帯の方が減少率が大きくなりました。ピーク時間帯は品川駅で55%減と最も大きく、次いで東京駅48%減、新橋駅47%減と続きます。渋谷駅は24%減ですが、最少の池袋駅(19%)より減少幅は大きくなっています。

 オフピーク時間帯も、「商業駅」より「オフィス駅」の方が減少率が大きくなりました。品川駅が49%減と最も大きく、新橋駅39%減、東京駅38%減と続きます。ピーク/オフピークで唯一逆転現象が見られた渋谷駅は29%減です。