JR東海が、新型の通勤電車315系を公開。通勤電車として最先端の安全性、安定性、省エネ性、快適性を持つ車両のひとつになっています。またその登場により、JR東海は国鉄時代製造の車両がない初のJRになる見込みです。

AIが「いい感じ」にしてくれます

 JR東海が2021年12月3日(金)、在来線の新型通勤電車「315系」を報道陣へ公開しました。通勤電車として最先端の安全性、安定性、省エネ性、快適性を持つ車両のひとつで、おもな特長は次の通りです。

・夏に体感するのが待ち遠しい!? 国内初の冷房AI制御

 各車両の状況に応じてAIが随時、各車両の冷房を適切に調整してくれるそうです。国内初の機能とのこと。冷房能力自体も3割アップしているほか、弱冷房車も1両設定されています。

・さようなら 不快な「もたれかかり」

 座席の仕切り壁が大型化され、端の席の人にとって、横に立つ人の存在感が減ります。座席自体も1cm広い46cmになったほか、腰の負担が少ない形状を採用しています。実際に座ってみたところ、腰回りをしっかりサポートしてくれる感じでした。

・「電気がない電車状態」でも安心

 非常時を想定した走行用バッテリーを搭載。停電しても、最寄り駅など安全なところまで自走できるそうです(2022年夏以降に順次搭載予定)。

なぜ車掌は「青いネクタイ」が分かったのか?

・「青いネクタイの方ですね?」

 非常通話装置が各車両に3か所、防犯カメラが5か所あり、その実演が行われたのですが、そのシステムに感心しました。

 乗客役が通報すると、数両離れた場所にいる車掌役から「通報されたのは青いネクタイの方ですね?」という、確認の質問が行われました。

 通報した乗客役は、そうです、青いネクタイをしていました。

 なぜ「青ネクタイ」を車掌が分かったのかというと、運転台や指令所で、車内防犯カメラの画像をリアルタイムで確認できるため(常に確認可能)。異常時の混乱低減、迅速な対処に効果を発揮しそうです。

 315系はこのほか、次のような安全性、安定性、省エネ性などを備えています。

・モーターを駆動する電力変換装置にSiC素子を導入するなどし、電力消費量を約35%削減(211系比)。
・自動列車停止装置(ATS-PT)といった主要機器の2重化や、台車などの振動検知装置によって信頼性を向上。
・全車両に車いすスペースを設置し、車両とホームの段差を縮小するなど、バリアフリー設備を充実。

「さよなら国鉄」一番乗りか?

 新型通勤電車「315系」の運転開始は、2022年3月5日(土)。中央本線の名古屋駅と中津川駅(岐阜県中津川市)のあいだに投入されます(中央本線は、東京と名古屋を山梨県、長野県などを経由して結ぶ路線)。

 中央本線の名古屋〜中津川間は、特急車両を除き、2023年度中にすべての車両が新型の315系になります。

 また315系は、2025年度までに352両が投入され、中央本線のほか東海道本線、関西本線などでも走る予定とのこと。今回登場した315系は8両編成ですが、4両編成も導入するそうです。

 また315系の投入により、現在JR東海に8両だけ残っている国鉄時代に製造された車両(211系0番台)が2022年3月中に引退。JR各社で初めて、全車両が1987(昭和62)年4月のJR発足後に製造された車両になる見込みです。