12月21日は可変後退翼戦闘機F-111が初飛行した日。ただ、機動性の悪さなどから戦闘機としては使い物にならなかったとも。とはいえ、大きな爆弾搭載量と優れた長距離進攻能力などを活かして攻撃機や爆撃機としては有用でした。

湾岸戦争やボスニア紛争などで名誉挽回

 1964(昭和39)年の12月21日。アメリカの航空機メーカー、ジェネラル・ダイナミクスが開発した可変後退翼機F-111「アードバーグ」が初飛行しました。

 世界初の実用可変翼機として知られる機体で、アメリカ空軍とオーストラリア空軍で使用されました。ただ、もともとは空軍の戦闘爆撃機と、海軍の空母向け艦上戦闘機を共通の機体で賄おうという、いわゆる統合戦闘機の開発計画で誕生した機体で、アメリカ国防総省が音頭を取って計画した軍用機でした。

 しかし、空軍と海軍、双方の要求を盛り込んだ結果、機体サイズは大型化。その結果、海軍仕様のB型はキャンセルとなり、空軍仕様のA型のみ採用となりました。

 加えて空軍仕様も、戦闘爆撃機とはいいつつも空対空戦闘能力は低く、あくまでも空対空ミサイルの運用が可能というレベルでしかありませんでした。とはいえ低空進入能力や爆弾搭載量などは優れていたため、攻撃機や高速爆撃機として見れば問題はあまりなかったといわれています。

 そのため、ベトナム戦争や湾岸戦争、ボスニア紛争などに投入され、それなりの戦果を上げています。

 また、大きな積載量を活かして、戦略爆撃機型のFB-111Aや電子戦仕様のEF-111Aが作られたほか、オーストラリア空軍においてもF-111Cに偵察ポッドを取り付けた偵察機型のRF-111Cを運用していました。

 F-111シリーズは性能こそ問題ないレベルにあったものの、維持運用コストがF-16やF/A-18などと比べてかさんだことから、アメリカ空軍では当初の予定を前倒しして1996(平成8)年で運用を終了し、オーストラリア空軍においても2010年12月を持って退役しています。