カワイイクッションまで「元JAL機」でした。

機内の一部がホテルの部屋にワープ?

 東京ディズニーランドの近隣に位置する東京ベイ東急ホテル(千葉県浦安市)の一室に、「ウイングルーム」と呼ばれる新たな部屋が誕生しました。JAL(日本航空)とのコラボレーションで実現したもので、本物の航空機部品などを活用して機内の空間を表現したコンセプトルームとのこと。実際にこの部屋を取材してきました。

「ウイングルーム」となるのは10階の1室。客室は2方向を見渡せる大きな窓が備わるのが特徴で、風向きによっては、窓から羽田空港を発着する飛行機を見ることができます。

 部屋でもっとも目立つのは、JALのボーイング777-300国内線仕様機で実際に使用されていた機内内装(窓・窓枠パネル)と、同型機の普通席として「実際に8年間飛んでいた」3人がけの本物のシートが並ぶ姿。まるで「機内の一部がホテルの部屋にワープした」ような作りです。

 シートが設置されている客室の床は、JALのボーイング777-200国内線仕様機用の航空機用カーペットが敷かれています。これは、本来洗い替えのために用意されていたものの、同型機の退役で、使われることのないまま役目を終えたものを活かしたのだそうです。

 また、室内にはCAが飲食物を提供する際に用いるカート「ミールカート」の実物や、エンジンブレードなど航空機部品を使用したアイテムも設置されています。座席に備わるクッションは、国内線ファーストクラスのシートカバーの廃材を使ったものです。

コロナ禍が生み出した「JALの部屋」

 JALグループでは、2021年10月より、廃棄される航空機部品を活用した商品の販売を開始。新型コロナウイルス感染拡大で航空需要が減るなかで収益を高める取り組みのひとつで、これまで、ライフベスト(救命胴衣)やシートカバーの廃材を活用したポーチやバッグなどを世に出してきました。

 一方で、新型コロナウイルスで近隣のディズニーランドが平時より稼働できないことから、宿泊客の大幅減を経験したという東京ベイ東急ホテル。その打開策として、ユニークな客室での“滞在販売”を提供することで、“ディズニーランド利用者依存”からの脱却を図る取り組みを進めているそうで、今回の「ウイングルーム」はその一環です。ホテル担当者によるとこの部屋は「5月いっぱいは完売、今後もかなりの人気が予想される」としています。

「これまでの取り組みのなかで空の旅を愛しているお客様がたくさんいることがわかり、それに応えることができないかと考えた結果、この部屋が生まれました。絶好のロケーションで、ぜひ本物ならではの迫力や臨場感を楽しんでいただければ」――JALエンジニアリング松岡俊彦部品サービスセンター長は、次のように話します。

「ウイングルーム」の1室2名での宿泊料金は1万3200円からです。宿泊者には1泊につき1つ、JAL国際線ビジネスクラスで提供されるアメニティなども提供されます。