高いコストパフォーマンスからJAL屈指の人気を誇る国内線「クラスJ」。一部機材のなかには、フルフラットで寝られるものも存在します。そのうちのひとつがボーイング767「SS6」仕様機。実際に乗ってきました。

本来は中距離国際線も担当

 その高いコストパフォーマンスから、JAL(日本航空)で最も人気の高いシートと知られているのが、国内線独自グレードの「クラスJ」です。最上位クラスの「ファーストクラス」と普通席の中間のグレードで、サービス内容自体は普通席より少しドリンクの種類が増える程度ですが、普通席より広く快適なシートを、普通席運賃+1000円〜3000円(当日アップグレードの場合)で選ぶことができます。

「クラスJ」の座席がどのような仕様のものかは、使用機材によります。定常投入されているものでもっとも豪華な「クラスJ」とされるものが、国内幹線などへ投入されているボーイング777-200ER。もともとが豪華な国際線仕様機だったものを国内線仕様へ転用した機種であることから、「クラスJ」はフルフラットシートを持つ「ビジネスクラス」の仕様そのままです。ただ、“コスパよく寝転がれる「クラスJ」”はこれだけではありません。

 そのひとつが、ボーイング767-300ERのうちの一部の機体。199席を配する「SS6(公式サイトではA44とも)」仕様のもので、主翼先端のせり上がった「ウイングレット」を備えた外観が特徴です。この機体も、本来はハワイ線やグアム線、台北線といった国際線を担当している機体ですが、しばしば国内線へも投入されることも。とくに新型コロナウイルス感染拡大で平時のように国際線を飛ばせない状況が続いていることから、国内線投入の機会がより増えつつあります。

「SS6」仕様をもつ767-300ERは、アプリからの予約では「767(国際線仕様機材)」と表示されます。この「クラスJ」も、通常であれば国際線ビジネスクラス「スカイスイートII(JAL SKY SUITE II)」として提供されているフルフラットシートです。

 シート配列は横1-2-1列(普通席は2-3-2列)。2席分のスペースをとり、座席を1列おきに左右互い違いにずらすことで足元のスペースを確保。多くの人がしっかり横になって眠れるつくりとなっています。もちろん個人モニターや電源コンセント、USBポートなどはすべて備わっています。

「SS6」仕様機、いよいよ座ってみた

 筆者がJALの「SS6」仕様機に搭乗した羽田→旭川便では、同路線での当日アップグレード料金は2000円でした。「クラスJ」は半分程度が埋まっている状態です。見た目はJALらしい赤ベースのシートに、各所に木目調のパーツがあしらわれています。

 まず感じられたのが、座席の包まれ感。シートポケットのほか、左手には収納スペースがあり、これが仕切り的な役割を果たしてくれるので、“半個室”にいるような感覚もあります。また収納スペースやテーブル類も大きめに設定されているのも特徴です。

 肝心の広さですが、180cm近い筆者が脚を伸ばしてもまだまだ十分余裕があるといったところ。座席は普段の立ち上がったシートのほか、リクライニング、フルフラットの3パターンが想定されています。また、背もたれ部分には、振動を味わえる簡易的なマッサージ機能も備わっていました。

 ただその一方で「SS6」仕様機は、あくまで国際線での運航がメインの機材なので、機内モニターや機内Wi-Fiなどが使用できない、という制限もあります。そのためリクライニングでマッサージ機能を使いながらまったりと読書や外の景色をして過ごしたり、フルフラットで旅の疲れを回復したりといった過ごし方がメインといえるでしょう。

 ちなみに、もうひとつのフルフラットシート「クラスJ」をもつ777-200ERは、機内Wi-Fiやモニターも使用できます。これは、現在は国内線へ定常的に投入されているためです。

「SS6」仕様の「クラスJ」が隠れ神席なワケ

 フルフラットシートの「クラスJ」をもつ767-300ER「SS6」仕様機は、羽田〜函館・旭川・熊本・長崎線など、地方路線へ投入されるケースが多いようです。ちなみに、767-300ERのなかには、通常の国内線仕様機や、客室仕様が古い国際線仕様機といったタイプがあり、これらには「フルフラットシート」は備わっていません。これらの767は「ウイングレット」がないルックスが特徴です。

 なお「クラスJ」は、2022年5月利用分から運賃の改定が実施されました。従来のアップグレード料金は全路線一律で+1000円でしたが、現在は冒頭の通り、路線の距離に応じて+1000〜3000円の変動制に。

 ただ、以前は普通席が非常に空いてても、「クラスJ」だけは満席といったことも多かったので、むしろ「クラスJ」を体験できる機会が増えたともいえます。とくに冒頭の777-200ERの場合、「クラスJ」人気がとくに高い羽田〜福岡線や那覇線に投入されることも多く、また席数の割合も著しく少ないことから、手軽に体験することは難しい状況でした。

 なお、JALによると、「クラスJ」は運賃改定後も予約状況ががくんと減ったわけでもなく、空席待ちの路線などもあるそうで「現在も引き続きご好評をいただいている状況」とのこと。これらの状況を総合すると、JAL渾身のビジネスクラスを手軽に体験するには、地方路線でこの「SS6」仕様機を狙って乗るのも、ひとつの手段かもしれません。