クマに触らずに除去ができるそうです。

JR発足以来の件数

 JR北海道は2022年6月8日(水)、2021年度に発生した列車とシカやクマとの衝突案件が計2700件にもおよび、2年連続でJR発足後最多となったことを発表しました。

 2021年度はシカとの衝突件数が2632件、クマとの衝突件数が68件発生。前年度よりも約250件増加しています。

 路線別に見ると、シカ衝突は宗谷本線が最多で462件、次いで花咲線(根室本線 釧路〜根室)が415件、釧網本線が323件、根室本線(上落合信号場〜釧路)が275件となっています。室蘭本線では前年度より54%増加の234件でした。クマ発見・衝突は旭川支社内(宗谷本線・石北本線)が突出して多く43件でした。

 シカやクマと衝突した場合の処理は、基本的に列車無線等で保線所の作業員を軽トラック等で呼び出し、搬出することになります。

 クマの処理には時間を要するため、列車の運行に支障をきたさないよう、保線用のモーターカー200形に搭載された「熊キャッチャー」を使用することも。宗谷本線の美深駅、幌延駅、天塩中川駅と石勝線の新夕張駅に配備されており、クレーンゲームのアームのような形状の器具でクマの身体を吊り上げる装置で、1tもの巨大ヒグマにも対処可能とのことです。

 また、周囲に親グマがいる可能性などを考慮して、必要に応じ各自治体を通じて猟友会のハンターを要請するといいます。

新幹線も運休させたシカ進入

 シカの進入による影響は大きく、2021年10月には北海道新幹線木古内駅付近で発生した事象では、早朝から昼までシカが逃げ出さず、新幹線が12本運休する事態に。

 シカ対策としてJR北海道では、まず「音と光」でシカを威嚇し寄せ付けず、次に進入した場合に「ケンザン(鋭い突起物を並べた板)」で立ち退かせ、さらに「テキサスゲート(ひづめ幅に近い隙間を持つグレーチング)」で進入を躊躇させる、などの複数の対策を行っています。

 ちなみに、シカとの遭遇による急ブレーキが多い道東では、線路との摩擦による車輪の傷みへ対応するため、2017年に「在姿車輪旋盤」と呼ばれる機器を導入。車輪を車両から外すことなく削正することができるようになり、作業が大幅に効率化したそうです。