ポーランドとも隣接していますし。

ドイツ製戦闘車両を多数装備するリトアニア軍

 ドイツに本社を置く兵器メーカーのラインメタルは2022年6月8日、同じくドイツの車両・兵器メーカーであるKMW(クラウス・マッファイ・ヴェクマン)と手を組んで、バルト三国のひとつであるリトアニアに合弁会社を設立したと発表しました。

 新たな合弁会社は、「リトアニア防衛サービス」という名称で、ラインメタルとKMWが同社の発行済み株式の50%ずつを保有するそうです。

 なお、リトアニア防衛サービスは同国中部にある都市ヨナヴァで、すでに事業をスタートさせているとのこと。ここはリトアニア軍最大の軍事基地もある場所で、敷地面積1万2000平方メートルある最先端のメンテナンスおよび物流センターが設けられているそう。また、地理的にはリトアニア駐留NATO戦闘グループの司令部が置かれている都市ルクラにもほど近く、鉄道で直接つながっているというメリットもあるといいます

 説明によると、リトアニア防衛サービスは、同国軍を始めとしてNATO(北大西洋条約機構)諸国の戦闘車両などに包括的な支援を行うのが目的とのこと。リトアニア陸軍は多目的装輪装甲車「ヴィルカス(ドイツ名ボクサー)」や155mm自走榴弾砲PzH.2000など、ドイツ製の兵器を多数装備しています。

バルト三国に続々派遣されているNATO部隊

 加えて、最近ではNATOのプレゼンス強化を目的として、バルト三国にNATOの即応展開部隊が常に配置されるようになっています。その一環でリトアニアには現在、アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツの各国軍からなる多国籍部隊が駐留しており、そのなかで最大勢力を誇るドイツ軍部隊は、リトアニア国内に「レオパルト2」戦車やPzH.2000自走砲、「プーマ」歩兵戦闘車、「ボクサー」装輪装甲車、「ベルゲパンツァー3」戦車回収車、「バッファロー」装甲回収車など様々な装甲戦闘車両を配置しています。

 これら兵器に各種支援を提供することがリトアニア防衛サービスの使命とのこと。現地に頼りになるパートナーがいるということは、各種トラブルが起きた際の対処時間の短縮やサプライチェーン改善の恩恵が受けられることを意味し、結果、この地域においてNATO部隊が持てる能力を増大させることにつながると、ラインメタルは説明しています。

 2022年2月にロシアがウクライナに侵攻を開始して以降、NATOを始めとしてヨーロッパ諸国のロシアに対する警戒感はピークに達しており、バルト三国だけでなくポーランドなども軍備増強へ舵を切っています。

 北欧のフィンランドやスウェーデンもNATO加盟を切望するようになっており、今回のリトアニア国内での兵器関連のメンテナンス・物流サービス拠点の開設は、それらを追い風にしたものと言えそうです。