91年前の6月15日、紀州鉄道の御坊〜御坊町が開業しました。

かつては日高川駅まで伸びていた

 1931(昭和6)年の6月15日。「日本一短いローカル私鉄」として知られる、和歌山県御坊市の紀州鉄道が開業。最初の開業区間は、現在の御坊〜紀伊御坊(当時は御坊町)間でした。

 当時の会社名は「御坊臨港鉄道」。その名のとおり当初は日高川の河岸まで鉄道が敷設されたほか、景勝地である海岸線「煙樹ヶ浜」への延伸も構想されていました。また、現在の西御坊駅からはかつて西側の大和紡績へ貨物専用線が伸びていたこともあります。

 他の国鉄駅の例にもれず、御坊駅も御坊の町の中心部から外れた場所に設置されたため、短距離ながらもアクセス鉄道としての役割を今も果たしています。また途中駅の「学門」駅は、駅名の縁起がいいとして、受験シーズンに訪問客で賑わうことも。営業距離はわずか2.7kmで、鉄道会社としては千葉県の芝山鉄道(2.2km)に次いで2番目の短さです。

 開業から3年後の1934(昭和9)年には、日高川駅までが開業。しかし1989(平成元)年に西御坊〜日高川間の約700mが廃止され、現在は西御坊駅は終着駅となっています。日高川駅のホームや線路の遺構は現在もある程度残っており、往時の姿を偲ぶことができます。

 ちなみに、紀州鉄道の主要事業は不動産事業。鉄道事業は慢性的な赤字に苦しんでいますが、鉄道会社としての名前はこのまま残し続けるそうです。その理由は「社名と鉄道に対する愛着、信用」だと、中川社長は話しています。