110年前の6月16日、和歌山県と大阪府の県境付近を走る、南海加太線が開通しました。

かつては和歌山市駅直結の鉄道橋があった

 今から110年前の1912(明治45)年6月16日。現在の南海加太線である、加太軽便鉄道の和歌山口〜加太が開業しました。

 南海加太線は和歌山市駅を出ると紀ノ川橋梁を渡り、和歌山線の最西端の港町である加太へ向かう、9.6kmの路線です。2016(平成28)年にはラッピングや特別内装を施した観光列車「めでたいでんしゃ」が運行開始し、観光路線としての性格も強めています。

 開業当時は紀の川の手前までの開通で、2年後に紀ノ川を渡る橋が完成し、和歌山市街へ乗り入れます。ただしこの橋は現在のものとは違い、約700mほど下流にありました。この橋は1950(昭和25)年に台風で被災し、そのまま廃止。その頃には加太線は紀ノ川経由に切り替わっており、東松江〜北島は支線としてしばらく残されましたが、1966(昭和41)年に廃止されています。

 かつて加太線が走っていた橋は現在「河西橋」として、道路橋に活用されています。単線の鉄道風景を思い起こさせる狭い橋で、歩行者と二輪車しか渡れません。この河西橋、老朽化のため架け替え工事が実施されています。2025年度に開通予定で、かつての「廃線」の面影はまもなく見納めとなります。