かつては日本国中で見られたボーイング747-400も、いまや定期運航しているのはルフトハンザを始めとしてかなり少なくなっています。そんなドイツの超希少機の機体が羽田に飛来しました。

欧州から遠路はるばる来日 定期で飛ぶ旅客型747-400

 2022年6月10日、羽田空港へ久しぶりにボーイング747-400が降り立ちました。

 飛来したのはドイツのルフトハンザ航空が運航する機体(登録記号D-ABVX)。ルフトハンザは6月2日からフランクフルト〜羽田線へボーイング747-8を再び投入しているため、「ジャンボジェット」自体は羽田空港でも日常的に見られるようになってきています。

 しかし、それより古い747-400は基本的に北米方面やインド方面の路線を中心に就航していることから、日本にやってくる機会は非常に珍しく、まさかの往年の機体の飛来に、羽田空港のデッキにいた航空ファンたちは大いに盛り上がりました。

 747-400は、旅客機の代表として長らく親しまれていたボーイング747シリーズの中でも、とりわけ日本に馴染みがあるといえる機体です。初代政府専用機として航空自衛隊が運用していたほか、JAL(日本航空)やANA(全日本空輸)でもかなりの機数を国際線、国内線問わず運航していました。

 JALの機体はディズニーのキャラクターを描いた「ドリームエクスプレス」として、ANAの機体は「ポケモンジェット」として、それぞれ注目を集めたこともあります。

 ただ、4発エンジン機であることや、シート数の多さなどから、運航コストが2発エンジン機の旅客機と比べて高く、2010年代前半には国内の航空会社から姿を消しています。また燃費や維持整備コストの問題から、航空貨物の輸送を担うNCA(日本貨物航空)も機材を新型の747-8に切り替えています。

 なお、新型コロナウイルスの影響が出る前は、タイ国際航空やカンタス航空の747-400が定期便として羽田空港に飛来していましたが、それらも航空需要の低減に伴い運用を終えており、かつて隆盛を誇った747-400は国内の空港から姿を消していました。

747-400に続いて来日した特別塗装のルフトジャンボ

 世界的に見ても、旅客仕様のボーイング747-400は定期運航からほぼ外れているため、ルフトハンザ機は、定期旅客便で就航している希少な747-400となっています。同社は2022年6月現在、747-400を8機運用しており、フランクフルトを拠点に、アメリカ・米ボストン線やカナダ・トロント線、インド・ムンバイ線などに投入しています。

 なお普段、ルフトハンザ航空はボーイング747-8を飛ばしていますが、これも定期便として羽田空港に就航する唯一の747となっており、2022年6月現在、フランクフルト〜羽田線で週3往復のフライトを行っています。フランクフルト発のLH716便が火曜、木曜、土曜に、羽田発のLH717便が水曜、金曜、日曜に運航するスケジュールとなっています。

 なお、ボーイング747-400が飛来した2日後の6月12日には、創立60周年を記念した747-8のレトロ塗装機(登録記号D-ABYT)が来日。ルフトハンザでしか見ることができないレア機が相次いで羽田空港に着陸しています。

 前述のとおり、以前は羽田空港のそこかしこに駐機していたボーイング747も、いまや非常に珍しい存在となってしまいました。とくに旅客型の747-400は、いつ全機が退役してもおかしくない状況になっています。次に747-400が飛来するのはいつか、それは不明ですが、もし見かけることがあったならば、その雄姿を目に焼き付けると良いでしょう。

 ちなみに、アメリカの宇宙開発企業、ヴァージン・オービットが2022年5月、L3ハリス・テクノロジーズと、ボーイング747-400の購入契約を締結したことを明らかにしています。同機はアメリカ国内に保管されていた元政府専用機である可能性があり、ひょっとしたら、ヴァージン・オービットのスペースポート(宇宙港)に選定されている大分空港に今後、やってくるかもしれません。