ANAが大型貨物機「ボーイング777F」を就航させているアメリカ・ロサンゼルス空港。成田から海を超えたその地の貨物施設はどのようなものなのでしょうか。今回ANA協力のもと、その内部を取材しました。

半導体輸送が多いL.A.

 新型コロナウイルス感染拡大による入国制限などの影響をうけ、旅客便の利用者が大きく減った航空業界。その一方で、好調な業績を記録でその収益を支えているのが、航空貨物事業です。現在日本で旅客機・貨物機を両方保有している航空会社はANA(全日空)のみ。今回は、アメリカ有数の貨物取扱量を誇るロサンゼルス国際空港にある、同社の貨物施設を取材しました。

 ANAでは、2021年4月に成田〜ロサンゼルス線の貨物専用便を就航。現在は旅客機の客室下貨物室を用いた輸送にくわえ、同社が2019年に導入した大型貨物専用機「ボーイング777F」もこの路線に投入しています。「777Fの導入によって大型の貨物も運べるようになりました。かなり存在意義が大きい飛行機です」と担当者は話します。

 ロサンゼルス着の便では、PCや自動車部品をはじめ、特に隣接するアリゾナ州の工場へむけた半導体の輸送量が多いことが特徴なのだそうです。逆に、ロサンゼルス発では自動車関連の貨物や、医薬品やチェリーなどの生鮮品などが運ぶのだとか。また「アロハコネクション」とよばれる、ホノルル経由で他社便の提携スペースで運ぶ貨物にも対応しているそうです。

ANAの貨物がロサンゼルスで行き着く先、どんなところ?

 ロサンゼルスでANAが使用する貨物上屋の面積は、約1万2600平方メートル。おおよそ野球グラウンドに相当するくらいの広さを持ちます。施設内には、約1360平方メートルの冷蔵室も。同社が運営する北米の貨物施設のなかでは一番大きい冷蔵室なのだそうです。

 施設内を見ると、半導体を運ぶ木箱が多く見られ、それらには衝撃の検知ツール「ショックウォッチ」が設置されています。これにより、精密機械の破損トラブルの抑制・防止につながります。冷蔵室にはアスパラが並んでいました。

 担当者によると、ロサンゼルスを始めとするANA北米路線の貨物事業は、過去最高を記録しているといいます。そのため、到着から出発までの折り返し時間を90分〜120分(ダイヤにもよるが、以前は150〜180分だったそう)程度の短い間隔で設定しているほか、航空機整備のタイミングを工夫するなどしながら、この需要に対応していると話します。なお、ここロサンゼルスでも、コロナ禍で貨物取扱量が増えたために、上屋の増設も実施されたとのことです。