高架や地上の道路で、山もないのに突如としてトンネルが現れるケースがあります。それが渋滞の要因になっている箇所も。トンネルになった理由は、周囲の環境が物語っているようです。

なぜそこはトンネルなのか 理由アリ

 高架や地上の道路で、山もないのに突如としてトンネルが現れるケースがあります。それが渋滞の要因になっているところもありますが、それぞれに、「トンネルになった理由」が存在。今回は東京近郊で、そうしたトンネルを5つ、紹介します。

大和トンネル(東名高速)

 東名高速の神奈川県内で、長年にわたり渋滞ポイントになり続けているのが、大和トンネルです。トンネル付近がサグ(下り坂から上り坂に変わる箇所)になっているうえ、暗いトンネルに入ると減速しがちであることが要因として挙げられます。

 ここは山ではなく、切土の区間に“蓋”をかけたような構造のため、厳密にはシェルターと呼べるもの。ここは厚木基地の飛行経路直下にあたり、東名の開通前には墜落事故も起きたことから、高速道路上に墜落した際の被害を抑えるために蓋がかけられました。

 2021年にはトンネルが拡幅され、トンネルを含む前後区間が片側4車線となりました。付近の渋滞は相変わらずであるものの、ラジオの渋滞情報などでは、大和トンネル近傍の綾瀬スマートIC付近を先頭と伝えるケースが増えてきています。

烏山トンネル(烏山シェルター、中央道)

 烏山トンネルは中央道 高井戸ICの西側にあります。240mほどのトンネルですが、カーブ区間の途上に位置するため、やはり減速しがちで、しばしば渋滞が発生します。

 NEXCO中日本は烏山シェルターと呼称するように、ここも山はなく、高架区間に函をかぶせたような構造です。なぜこのような構造かというと、烏山北団地内を通過するためで、騒音や環境悪化を防止すべく、シェルターが設置されました。同様の理由で設けられたものとして、常磐道 流山IC〜柏IC間のトンネル(シェルター)群などが挙げられます。

一般道にも「なぜそこトンネル」多数

 不思議なトンネルは一般道にもあります。

青山トンネル(首都高3号渋谷線&六本木通り)

 首都高3号渋谷線は、C1都心環状線から渋谷駅まで主に六本木通り上の高架区間となりますが、高架から地上へと下がり、六本木通りとほぼ同一の高さでトンネルをくぐる箇所があります。これが青山トンネルです。

 トンネルになった理由は航空写真を見るとわかります。道路が青山学院の敷地内を通過しているためです。青山トンネルの上は、青山学院のテニスコートになっています。

 ここ以外にも、東京では学校の敷地をくぐっている箇所がいくつかあります。たとえば2021年に世田谷区内で開通した補助128号線は区立桜木中学校の下をトンネルでくぐります。また練馬区立小竹小学校の校庭の下には、要町通りの小竹トンネルがあり、さらにその下には東京メトロの小竹向原駅が設けられています。

千駄ヶ谷トンネル(都道補助24号線)

 国立競技場の南西、原宿駅方面に通じる都道にあるトンネルです。ここもトンネルとなった理由は上から見れば一目瞭然。トンネルの上が墓地になっており、移転をせずに道路を通したというわけです。

 この道路は1964(昭和39)年の東京オリンピックに合わせて開通しました。2回目のオリンピックとなった東京2020大会の際には、千駄ヶ谷トンネルの東側に、国立競技場からこの道路をまたぐ歩行者デッキも開通。このデッキは千駄ヶ谷トンネルの長さと同じくらいの幅があり、あたかも“トンネル”が連続する形になりました。

謎のスケスケトンネル(関越道ほか)

 最後は“トンネル”というと語弊があるかもしれませんが、道路を覆う、“網”でできたトンネル状の構造物です。関越道の東松山ICの南側や、圏央道の鶴ヶ島JCT〜坂戸IC間などに見られます。

 このような構造物が設けられた理由は、おもに飛来物から道路を保護すること。関越道 東松山IC南側の“トンネル”があるのは、ゴルフ場の脇です。つまり、ゴルフボールが飛んでくることを想定したもので、「飛球防護柵」と呼ばれます。一方、圏央道のものは、野生動物の生育環境保護が目的です。